オーストラリアにあるメルボルン大学のマイケル・ニコルズは、カメラに向かって真正面、あるいは左右に15度ずつ顔をずらした3人ずつの男女の顔写真を撮影しました。

 その写真を384名の判定者に見せてみると、真正面、あるいは顔の左半分のほうが、顔の右半分よりも「感情が大きく表現されている」と答えることがわかりました。では、どうして顔の右半分よりも左半分なのでしょう。

笑顔だからといって
楽しんでいるとは限らない

 その理由は、私たちの脳に関係しています。

 人間の脳は、右脳と左脳に分かれていますが、ものすごく大雑把に言うと、右脳は「感情」を司り、左脳は「理性」を司っています。

 そして、ここからがややこしいのですが、脳の神経は身体の途中で反対側に交差しています。これを「交差支配」と呼ぶのですが、感情を司る右脳の働きは身体の左半分に影響しているのです。顔の左半分に感情が大きく表現されるのはそのためです。

 細かいことはどうでもいいので、とにかく「顔の左半分のほうに本音が表れやすいのだな」ということを覚えておけば十分です。

 なお、顔の右側は左脳が司っているので、理性でコントロールされた表情になります。ネコをかぶっているというか、よそ行きの顔になりがちなのです。だから、本音を読むときには、右側はあまり当てになりません。

 とりあえず相手の感情は顔に表れやすいので、座るときにはできるだけ向き合って座らなければなりません。そのほうが相手の顔をよく見ることができます。

 カウンターのようなところに並んで座ってしまうと、相手の顔はほとんど見えなくなるので、読心術もうまくできなくなります。

 ただし、並んで座るときに、相手の左側の席に座るようにすれば、相手の顔の左半分がよく見えますので、右側の席に座るよりも相手の本音が読みやすくなるかもしれません。

 相手がどんな感情なのかの判断に困ったら、顔の左半分にだけ目を向けましょう。右半分のほうでは完全に無表情でも、左半分のほうでは微笑んでいるとか、ムッとした顔をしていることに気づくことができます。