根拠のない期待が
「失望」に変わった
いろいろな分析があるだろうが、筆者としてはもともと「なんかこれまでの首相と違うことをやってくれそう」という“根拠のない期待感”だけで生まれたブームなので、その“根拠のない期待感”が虚構だったことに気づいたZ世代たちが、波が引くように去ってしまったからではないかと思っている。中でもZ世代の「失望」が大きかったと考えられるのは以下の3つだ。
2.ステマ疑惑が持ち上がったことによる失望
3.男尊女卑・時代錯誤イメージによる失望
1に関しては、今更説明の必要もないが、日本では高市政権になって円安が加速して今や40年ぶりの水準になっている。為替介入も焼け石に水だったところ、高市首相の「悲願」だという消費減税も財源なく強行されるとなれば、「円」という通貨に対する市場の信用はさらに落ちていくだろう。
これは我々庶民の生活をさらに苦しめることは言うまでもない。それはZ世代も同様で、例えば多くの若者が憧れる「海外旅行」の夢も円安が奪っている現実がある。
GMOインターネットグループのGMO NIKKO株式会社が「Z世代の2026年夏休み旅行」に関する調査を実施したところ、夏休みに国内旅行のみを予定している回答者の53.7%が、当初は海外旅行も選択肢に入れていたにもかかわらず、円安・物価高や世界情勢への不安を受けて国内旅行へとシフトしていることがわかったという。
高市首相は「円安ホクホク」とポジティブに捉え、首相の経済ブレーンの中には「円安上等」と威勢のいいことをおっしゃっていた人もいたが、Z世代にとってはシンプルに「円安ガッカリ」だったというワケだ。
また、円安が引き起こす物価上昇は、Z世代にもっとシビアな苦境をもたらせている。こども家庭庁の2025年度「こども・若者総合調査」によれば、「自分の収入が少なく生活が苦しい」と答えたのが24.7%。高市首相がなかなか成果をあげられない「物価上昇」によって、若者の4人に1人が「生活苦」に陥っている現実があるのだ。
そこに加えて2の「ステマ疑惑による失望」というのは、いわゆる「中傷動画問題」のことである。
奈良の高市早苗事務所の事務所長が、「サナエトークン」の発行に関わっていた松井健氏らに、高市首相を自画自賛する動画や、野党議員を誹謗中傷する動画の作成を依頼していたのではないか報じられている一件だ。
週刊文春や共同通信が記事の一部を訂正したことで、告発者の信憑性に疑問符をつける声もあるが、仮にこうした構図が事実であれば、ステルスマーケティングを想起させるものと言える。







