コンビニエンスストア3社の比較
コンビニエンスストア3社の比較 各社公表データをもとに編集部作成 拡大画像表示

ローソンとファミマで
成功したものを取り入れるばかり

 今のセブンには、他社を驚かせる新しい一手がない。目につくのは、ローソンやファミマで成功したものを、後から取り入れる姿ばかりである。

 まず、決済とポイントだ。セブンにはnanacoがある。全国2万店を超える店舗網があり、セブン銀行、カード、アプリ、通販まで抱えている。本来なら、これほど強い顧客基盤はない。

 ところが、nanacoを「ポイントを使いたいからセブンへ行く」という強い来店動機に育てたとは言い難い。これは公開データだけで厳密に証明できる話ではなく、私の経営評価である。だが、2026年7月に報じられた外部資本との協議は、その弱さを象徴している。

 報道によれば、ソフトバンクとPayPayなどが最大3000億円規模の出資を協議し、SMFG傘下の三井住友カードも参加を検討している。PayPayの顧客基盤やソフトバンクのAI技術を、次世代店舗の開発などに生かす構想だという。

 提携自体は合理的である。足りない力を外から借りるのは経営の基本だ。しかし、自前の決済、ポイント、会員IDを長年持ちながら、それを十分な武器にできなかった裏返しでもある。nanacoで築けなかった広がりを、PayPayに助けてもらう。私にはそう見える。

AI発注でも
ローソンとセブンに差

 AI発注にも同じにおいがある。

 ローソンの「AI.CO」は、おにぎり、弁当、調理パン、麺、総菜、デザートなど、販売期限が短い商品を中心に、品ぞろえ、発注数、値引きの時間と金額まで一つにつないでいる。欠品による売り逃しと、売れ残りによる廃棄を同時に減らす仕組みである。

 ローソンは2015年から半自動発注を始め、天候、気温、顧客の購買実績、本部の販促などを使いながら、約10年かけて仕組みを磨いてきた。2024年には約1万4000店への導入を終えた。単にAIを入れたのではない。現場でフル活用し、品ぞろえや加盟店利益の改善につなげてきたのである。