セブンも2023年から、加工食品、飲料、雑貨など約2800品目を対象とするAI発注を全国展開し、発注時間を約40%減らした。欠品抑制にも成果はある。だが、当初の中心は比較的日持ちする商品だった。おにぎりや弁当の品ぞろえ、値引き、廃棄までを一体で変える仕組みでは、ローソンより遅れている。

 技術は買える。だが、10年分の試行錯誤は買えない。成功例を見てから追いかける会社は、導入した瞬間から同じ場所に立てるわけではない。

ファミマが始めたウェア販売を
後追いで取り入れたセブン

 売り場を見ても、同じ不安を覚える。

 ファミマは2021年から「コンビニエンスウェア」を全国展開した。ラインソックスを入り口に、Tシャツ、下着、タオルへ広げ、「急に必要だから仕方なく買う服」を「欲しいからファミマへ買いに行く服」に変えた。コンビニ衣料という市場を、自分で作ったのである。

 セブンも2026年7月、ヘインズと組み、セブンのコーポレートカラーを使ったTシャツや靴下を全国発売した。この商品がいいとか悪いとかの評価を述べるのをグッと堪えて、少なくとも客が受ける印象は「セブンも始めたのか」である。新しい市場を開いたのではない。ファミマが成功を証明した後、その道へ入った。

おにぎりにも見える
かつてのセブンとの違い

 おにぎりもそうだ。ファミマは2025年に「おむすび二刀流」を大きく打ち出し、専門店監修の商品と大きなおむすびを一つの企画にまとめた。セブンの「旨さ相盛おむすび」は、てっぺんと中に別の具材を置く商品で、設計は同じではない。それでも、複数の具材を分かりやすい名前で売る姿は、後追いに見える。

 模倣したと断定する証拠はないものの、かつてのセブンなら、他社の商品と比べられる前に、新しい食べ方そのものを作っていた。

 何より、マネすることも悪だとは思わない。小売業では、売れた商品や仕組みがすぐに広がる。良いものは取り入れればよい。問題は、首位企業がマネする側に回る場面が目立つことだ。マネには利点がある。失敗した企画を避け、成功したものだけを選べる。大負けも防げる。今のセブンは、まさにこれをやっている。