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ベインによるキオクシア再建、その手腕とは
東芝から半導体事業を買収した後、ベインは独立採算の意識を組織に徹底した。併せて重視したのが、管理会計だ。管理会計とは、経営者が意思決定を行うための内部情報を提供する会計システムをいう。
外部からファイナンスの専門家を招聘し、事業と製品別のレベルで採算管理を行い、週次レベルで各事業の資金繰り、収益性、費用配分などを確認できるようにした。どの分野に資金を投資すれば、最も効率的に収益性を高められるかを「見える化」したのだ。
さらに役職員の権限と責任も明確化し、人事評価制度も改変した。要するにベインは、成長期待の領域に集中して経営資源(ヒト、モノ、カネ)を、機敏に配分する経営の意思決定をサポートしたのである。
この成果は、収益率の推移を見ても明らかだ。2000年3月期~13年3月期の旧東芝メモリの営業利益率は、おおむね10%を下回っていた。なおこれはパワー半導体・システムLSIなど、NANDフラッシュメモリ以外の事業も含む。
14年3月期以降は、世界的なスマホメモリーの需要増を背景に、営業利益率は10%を上回るようになった。ただし、東芝の不正会計問題や、米ウエスチングハウス買収に起因する損失の発生で、業績はかなり不安定だった。
それがキオクシア発足後、営業利益率は上下に振れたものの、マイナス幅は過去よりも小さくなった。そしてここ2年間は、営業利益率は20%を上回っている。
AIのように成長期待の高い分野に経営資源を配分し、成果は客観的に従業員に分配する体制を構築したことが、キオクシアを大きく成長させた。ここに、ベインの手腕が確認できる。







