対極の存在、テスラ・サイバートラック
福:例として適切かどうかは分かりませんが、テスラのサイバートラックはこうした面の曲率がかなり弱いですね。あのクルマは平らな物を平らなまま見せること自体がデザインになっているのだと思います。それはそれで良いんです。
ただ、普通のクルマとして自然に見せたいのであれば、大きな面にはキチンとカーブを付けてあげる必要があります。本当の平面にするのではなく、“人間の目に平面に見える形”に造るということです。
≪2月にカナダにオーロラ見物に出かけた際、バンクーバーでサイバートラックの実車を初めて見た。そもそもサイバートラックは自然に見せようなどとはハナから考えていない異型のクルマ。ノマドとは正反対だ。≫
テスラの「サイバートラック」 Photo by Ferdinand Yamaguchi
ノマドは真上から見た車体全体の絞り方を変え、さらに横から見えるボディパネル一枚一枚にも、ごくわずかな“張り”を持たせている。大変な手間を掛けながらも、見る人には何も変わっていないように感じさせているのだ。
あえて選ばなかった“乗用車的な”デザイン
F:スズキのデザイン部隊は、誰にも気付かれない部分に大変な手間を掛けている。そうした事情を知らない人からは、「真ん中を切って伸ばしただけだろう」と言われてしまう。
福:それを感じさせないぐらい自然に見せることが、今回のデザインでは大切でした。3ドアのイメージを残しながら、きちんと5ドア化する。長くなったことや、ドアが増えたことに違和感を抱かせず、見た瞬間にジムニーだと思ってもらえる形にする。それが今回のデザインで一番大事にしなければいけないことだったんです。







