「四角い」ジムニー、平面に見えても実は微妙な曲面
F:真上から見た車体の形については理解しました。すると横から見えるドアやボディ側面も完全な平面ではなさそうですね。ジムニーは四角いクルマなのだから、そこは真っすぐな鉄板で良さそうなものですが。
横から見たジムニーノマド。ほぼ真四角に見えるが…… Photo by A.T.
福:ドアやボディ側面にも、別の意味で微妙な曲面を付けています。完全に真っすぐにしてしまうと、逆に不自然に見えるんです。特にドアのような大きな面を本当の平面にすると、人間の目には真ん中が凹んでいるように見えてしまいます。ですから実際には、ボディパネルの表面にごくわずかな張りを持たせています。
これはジムニーだけの話ではありません。他社さんのバンで真四角に見えるクルマでも、同じような処理をしていると思います。真っすぐに見える大きな面ほど、実際には自然に見せるための微妙なカーブが付いているんです。
F:例えばハイエースとか。あれも実は曲面構成ということですか?
福:具体的な名前は言えませんが(苦笑)、まあ、ああいうタイプのクルマです。本当に真っすぐな面を造っても、自然な平面に見えるわけではないんです。
≪真上から見た車体全体のカーブ。横から見た鉄板一枚の僅かな膨らみ。
どちらも肉眼ではまず気付かない。だが、その微妙な曲線がなければ、我々が見慣れた“真四角のジムニー”には見えないのである。デザイナーはカッコいいデザインを考えるだけでなく、“目の錯覚”を補正する仕事もしていたのだ。何と奥深い仕事だろう。
そして福島さんは対極にある例として、テスラのサイバートラックを挙げた。≫







