実働しない「休む時間」を明確にする
さらに、実働しない時間を決めることも大切です。私は週末の土日について、必ずしも「完全な休日」と決めているわけではありませんし、その気になれば仕事もできます。しかし、あえて土日は実働しないと決めています。
このように「やらない日」を決めることで、週末は何も考えず、不安から解放される日を作るという意味合いを持たせているのです。
考えるエリア、責任の範囲、仕事の分担などで「やらないこと」を決め、制限を設けることで、過剰な不安を落ち着かせる効果が期待できます。
「全般性不安障害」という視点と受診の目安
最近では、何事にも不安になってしまう状態に関連して、「全般性不安障害」という病気がクローズアップされるようになってきました。
不安障害という精神科の疾患群には、パニック障害(外出時に発作が起きるか不安になる)や、強迫性障害(手が汚れていると思い何度も洗ってしまう)、社会不安障害などがあります。これらは特定の状況や対象に対する不安を伴うため、診断基準が設けやすいという特徴があります。
一方、「全般性不安障害」は、ありとあらゆる場面や物事に対して不安を感じてしまうため、場面が特定されません。精神科医の立場からすると、病気特異的な症状を同定しづらいため、診断概念として少し異質であり、診断が難しい病気でもあります。
私自身も実際の臨床でこの病名をつけたことはありませんが、何事にも過剰に不安になってしまう方が実際にいるのも事実です。
この病気に対する治療は、一般的な不安障害に準じて抗うつ薬を使用したり、カウンセリングを行ったりします。もし、今回お話ししたような「物事を制限する」「考えすぎないようにする」といった工夫をしても、日常が回らないほどしんどい場合は、一人で抱え込まずに医療機関を受診してください。
まとめ:やらないことを決める
何事にも不安になってしまう方は、考えること、責任範囲、そして日々の行動など、さまざまな場面でルールを設けて、「制限」を設けてみてください。
不安を追いかけていろいろな行動に走ってしまうと、状況がどんどんエスカレートして終わらなくなってしまいます。ご自身がつらくならないために、「やらないことを決める」ということが、重要になってくるのではないでしょうか。




