枠に当てはめすぎると
自分のキャリアが死んでしまう
もちろん従来の「管理職の心得」のようなもの――感情のコントロール、部下に対する寛容性などの部分は、ないよりはあったほうがいいのかもしれません。けれどもあまりにその枠に当てはめようとすると、自分の特性や魅力がなくなってしまいますし、長い目で見たときのキャリアが死んでしまう可能性があるのです。
強みを生かす。これが個性、特性となって、あなたのビジネスをも支えるはずです。
企業側にとっても、これまでのような管理職の枠組みに固執していては、流行の移り変わりが早く、日本の力が弱くなっている現代社会で生き残っていくことは困難でしょう。私は産業医として多くの企業に関わり、その裏側を見てきましたが、このままでは日本企業がなくなってしまうのではないかという危機感を覚えています。
わかりやすく言えば、人より変わったところがある、とんがっている人の才能を生かせるような企業でなければ、新しいものが生まれず、イノベーションを起こせず、今後世界に乗り出していくことができません。
現在急増している「発達障害」の人も、従来の「管理職タイプ」に当てはめれば、まず昇進はできないでしょう。しかし彼らは何か特定のことに対してすごい能力を発揮します。そういった人たちを生かす企業風土であってほしい。
社員が個々の強みを生かすと、人間関係がスムーズにいかないと考える人もいるかもしれません。けれども、変わった人にはそれぞれの「できるところ」があって、その人がその得意分野を周囲にシェアしてくれると、良い関係を築けます。
同様に発達障害の人も、一つのことに脇目もふらず集中するので、周囲は驚き、へきえきとしてしまうかもしれません。ですが、その得意分野を介すれば、発達障害の人とのコミュニケーションはうまくいくのです。
私は「皆、平等に接しましょう」というような雰囲気はかえってうそっぽいと感じます。「あの人はちょっと変わっているけど、○○の部分はすごいし、面白いからまあいいか」と許せるムードが生まれると、コミュニケーションがスムーズに、皆にとって居心地の良い職場になるのではないでしょうか。







