難易度の高い仕事を委ねても
やらされ感、無理やり感がない

「優秀な人材だけの、とんでもなく成長できる会社」をつくりたかった<br />【企業インタビュー:ワークスアプリケーションズ編】牧野正幸(まきの・まさゆき)
株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役CEO
1963年、兵庫県生まれ。1996年、現COO阿部・現CTO石川とともに同社を設立。ERPパッケージ市場において、国産パッケージNO.1※を誇る。また、優秀な人材の採用や社内制度にも力を入れており、問題解決能力発掘インターンシップなど独自の採用プログラムを実施。「働きがいのある会社ランキング」では2010年度で第1位を獲得。5年連続ベスト4を果たす。(Great Place to Work Institute Japan)
※市場占有率推移(パッケージ市場)販売社数シェア
出典:株式会社富士キメラ総研 ソフトウエアビジネス新市場 2013年版

本田労働時間に関しては、どういうお考えですか?

牧野前例に則り効率だけを重視する仕事では、人材は育たない。ですから、あえて投げ出したくなるような難しい仕事ばかり委ねる。それで、できなかったら、徐々にレベルを下げていくといったやり方をとっています。社員には早く成長してほしいですし、成長したらさらに上のフィールドにチャレンジしてほしいですから。ただ、このやり方は手間がかかる。若手からこぼれ落ちそうになった仕事には、先輩がフォローに入らないといけませんから。リカバーには時間もコストもかかります。でも、人を育てるには、それも織り込み済みだということで、腹をくくっているんです。

本田あえて効率を重視するのではなく、優秀な人材を最も活用できることを重視したスタイルにしていると。

牧野以前は、勤務時間はフルフレックスで、時間はまったく自由でした。短い社員は3、4時間しか働いていないかもしれません。ただ若いうちはどうしてもゆっくり出社する傾向になる。今は世の中が真夜中まで遊べる時代ですからね(笑)。それもあって、2012年からフレックスではあるものの、12時までに出社するように指示しました。午後2時のミーティングに来ないというのは、さすがに困りますので(笑)

本田あくまでも、自分でタイムマネジメントという概念なんですね。

牧野はい。自分でタイムマネジメントできているから、難しい仕事に取り組んでいたとしても充実しているのです。そこには、やらされ感、無理やり感がない。なので、同じハードワークでも結果が違うし、ストレスのかかり方も違ってくる。もちろん、ハードワークがいいのかどうかは、自分自身に合っているかとか、自分が今どのステージにいるのか、によっても違ってきます。その辺をわかった上で判断しないといけないのですが。