上司・同僚・部下
日々の仕事のプロセスを正当に評価
本田 給料に関しても、こちらは能力主義が徹底していますね。
牧野 20代で1000万円以上という社員もいますが、昔ほど評価そのもの、あるいは給料に絶対的な価値を認めなくなったのかなと感じています。
本田 評価査定に関しては、360度評価がうまく回る仕組みを作っている会社が増えてきていますが。
牧野 当社も360度評価ですが、自分が誰に評価してもらうべきなのかを考え、指名することができます。同時に、指名した相手を自分も評価する仕組みになっています。
本田 本当の評価が出るかどうか、本人は不安になるかもしれませんね。
牧野 そこで、上司、同僚、部下を含めて自分の仕事のプロセスを日々見ている社員を評価してほしい人に指名することで、仕事の評価の納得度を高めています。仮に評価が低かったとしたら、それは、周りからそう思われているのだという現実。一般的に評価に関しては、自分のことを周囲はわかってくれない、という声が上がりがちですが、当社の場合、自分が選んだ人から厳しい評価が出てくれば、もうそれを受け入れるしかない。ですから、評価に関する不平はほとんどありません。
本田 自分が評価してもらう人を指名する、という仕組みを付け加えたことが360度評価がうまくいっている理由ですね。
牧野 上司の評価はウエイトの約20%で、約80%は同僚が評価しています。周りの同僚がどう思っているかが、評価に直結しているのです。だから、みんなが納得できるし、満足できる。この仕組みも、働きがいが高いという会社の評価のひとつになっているのかと思います。
本田 働きがいが高いという評価は、あたらしい働き方が実現できている結果でもあると思いますが、それを実現できた理由は何だと思われますか?
牧野 あくまでも、高い利益率で事業が回り出したからこそ、できたことです。よく、同じようなオペレーションをやってみたいという声も聞こえてきますが、会社の立ち上げで同じようなことをしたら危ないと申し上げています。
ワークスアプリケーションズでは、もちろん採用の時点で優秀な人材にこだわっているわけですが、それ以上にどうして入社後、彼らが大きく成長できたり、あるいはその環境に満足して身を置けるのかといえば、失敗してもいいという文化があるから。失敗するコストが、最初から事業に組み込まれているからなのです。