インターンシップで
優秀な人材を惹きつける
本田 一緒に働くことになる社員のレベルも、人によっては大きな選択のキーワードになるようですね。
牧野 入社の動機のひとつになっているのが、一緒にインターンシップを過ごしたメンバーの優秀さ、レベルの高さに惹かれて、なんじゃないかと思っています。インターンへの応募は、年間約4万人。そこから面接などを経て、年間1000人ほど受け入れています。つまり、インターンシップの時点で、相当なスクリーニングが行われているんです。
本田 志望動機も問わないし、インターンシップに来る理由が日当目当てでもかまわないんですよね。
牧野 学生は、本当の意味で業界のことや社会の構造をわかっているわけではない、ということは社会に出た人のほとんどが感じていることだと思います。にもかかわらず、あの業界がいい、この会社がいい、と決める。それは仕方がない。だから、それをひっくり返そうということではなくて、アルバイト感覚で来てみたら、というふうに声をかけています。結果的にすぐに入社しなくてもかまわないんです。
本田 日当ももらえるし、ということでインターンシップにやってくると、4万人から選抜された学生たちが集められている。学生たちにとっては、いろんな意味で衝撃でしょうね。
牧野 そこで会社に対する魅力にも気づいてもらえるわけですが、一番大きいのは、あのインターンシップのときに出会った連中は本当に優秀だった、というこのときの記憶なんです。別の会社に入ってみたら、その会社の同期よりも、インターンシップの同期のほうが、明らかに優秀だった、と。実際のところ、一流企業に入っても、真面目なだけの同期もいる。現場に配属されても、周りの社員全員がとんでもなく優秀なわけでもなかったり。
本田 そこで思い出すわけか。インターンで出会った、あの優秀な連中は、みんなワークスアプリケーションズに入ったかもしれない。だったら、あの会社のほうが良かったのではないか、と。
牧野 もともとこのインターンシップは第二新卒向けに行っていたプログラムだったんですが、第二新卒者に言われてしまったんです。「最初からわかっていたら、元いた会社には入らなかった。回り道しないで済んだ…」と。それで、学生向けのインターンを始めました。現在は、インターン経験者から入社している社員が、すでに半分くらいを占めているかもしれません。近年では、インターンでの優秀者に特別報奨金を出しているほか、アドバンスト・インターンシップにも参加できるようにしています。これは、海外の学生と一緒にインターンを行う仕組みです。
本田 海外の学生も一緒に!
牧野 残念ながら海外の学生と一緒にインターンシップをすると、日本の優秀な学生はほぼ全員こてんぱんにやられてしまいますね。前回は上海で行いましたが、北京大学、清華大学ほか中国から選りすぐった学生が来ている。日本のトップクラスの大学生でも、中国のボリュームゾーンでいえば、トップ層に入ることは難しい。そのくらい厳しい現実がある、ということです。
本田 中国の他にはどこがあるんですか?
牧野 今後はシンガポールでも行います。世界の超トップ層のレベルの学生が参加する予定です。
自分よりもすごいヤツがいるという刺激を与え、自身を成長させるには、素晴らしい環境が待ち構えている。これが、優秀な人材を強く惹きつけているのです。