「ポストAI」へ投資バトル 熱狂!量子覇権
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NECが量子コンピューターのマシン開発から3月末で撤退していたことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。開発に携わっていた多くの研究者は、ライバルの富士通に移籍した。NECは1999年に量子コンピューターの計算の“心臓部”に当たる「量子ビット」を世界で初めて実現し、現在の主流となっている超伝導型量子コンピューターの源流をつくった”草分け”的存在だ。特集『「ポストAI」へ投資バトル 熱狂!量子覇権』の本稿では、量子の名門NECに何が起こったのかを詳報する。(ダイヤモンド編集部上級編集委員 阿部欣司、副編集長 大矢博之)

NECが量子コンピューターのマシン開発から3月に撤退
エース研究者などがライバル富士通に移籍

 NECが量子コンピューターのマシン開発から撤退していたことが9月4日、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。

 NECは1999年に量子コンピューターの計算の“心臓部”に当たる「量子ビット」を世界で初めて実現し、現在、米IBMや米グーグルなどが手掛けて主流となっている超伝導型量子コンピューターの源流をつくった”草分け”的存在だ。

 複数の関係者によると、NECは3月末でマシン開発から撤退し、開発に携わった多くの研究者たちはライバルの富士通に移った。移籍したメンバーには、NECの量子コンピューティング研究のリーダーを務めていたエース研究者も含まれている。

 NECと共同研究をしていたある大学の関係者は、「量子コンピューターがこれほど注目を集めている時期に撤退するとは信じられない。量子の歴史をつくった企業であるのに……」と驚きを隠さなかった。

 一方、富士通は神奈川県川崎市の本社横に量子コンピューターの研究施設を新設するなどマシンの開発を続け、先行するIBMやグーグルを追いかけている。今回、思わぬ形で貴重な量子人材をライバルから獲得し、研究開発体制を充実させることができた。

 量子の名門・NECに何が起きたのか。次ページでは、関係者の証言などを交えて、撤退の背景に迫る。