国税調査官がお客さんのふりをして来店…何をチェックしている?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
税務署が動くとき、そこには必ず「なぜこのタイミングで、この相手なのか」という理由があります。国税庁が毎年公表している「国税庁レポート」では、その年に重点的に見る対象を公表していることはご存じでしょうか。今回は、2026年の最新動向も交えながら税務署による内偵調査や生々しい事例について、元東京国税局税務調査官の菊池悠税理士に聞きました。(聞き手/岩田いく実)
国税庁が自ら調査対象を明かす
「国税庁レポート」の正体
国税庁が公表する「国税庁レポート」とは、国税庁が国税組織の理念、税務行政の現状などを一般の方々向けにわかりやすくまとめたものです。税務行政への理解を深めてもらうことを目的に作成されており、実は税務調査の重点対象についても事実上公表しています。
では、最新の税務調査の実態についてはどのようなものでしょうか。
2026年の税務調査ではAIやビッグデータ分析を活用した精密な調査選定のもと、「調査において重点的に取り組んでいる事項」として、主に以下の分野への対応が挙げられています。
1.消費税の不正還付・免税制度悪用
架空仕入れによる不正還付や、インバウンド免税制度を悪用した転売・無申告が対象
2.富裕層・国際的租税回避
海外口座(CRS情報)や国外送金データを分析し、高額所得者の利子・配当・有価証券譲渡益や生前贈与の漏れを徹底追及します。
3.ネット取引・暗号資産の無申告
ライブ配信(投げ銭)、EC、インフルエンサー、暗号資産取引などの無申告者
4.シェアリングビジネス
民泊やカーシェアなど
こうした国税庁の重点方針をもとに今もっとも税務署に狙われやすい業種や、内偵調査や実際の税務調査について、元東京国税局税務調査官の菊池悠税理士に詳しく聞きました。
◆◆◆
狙われやすい業種とお店の特徴
税務署が見逃さない“違和感”
――国税庁の重点分野に「シェアリングビジネス」が挙がっています。特に民泊が狙われやすいというのは本当でしょうか。
本当です。民泊はインバウンド需要の回復を背景に市場が急拡大していますが、その一方で申告漏れや無申告も少なくありません。国税庁レポートでもシェアリングビジネスが重点分野として挙げられており、税務署も注目しています。
「税務調査は突然やって来る」というイメージを持つ方が多いですが、実際にはその前段階でかなり時間をかけて情報収集をしています。







