訪日自粛は中国側にも経済損失
少なくとも数百億円規模の可能性

 中国人の訪日自粛により、中国側はどれほど経済損失を被っているのか。公式統計はないので、大別して2つのテーマで試算してみた。

 まず、中国人が日本旅行する場合、ツアーやホテル予約には中国の旅行会社(オンライン・トラベル・エージェント含む)を使うケースが非常に多い。

 そこで、1泊2万円のホテルに平均6.8泊し、そのうちの1%のコミッションが中国の旅行会社に入る前提を置いた。4~6月期の訪日中国人数は前年に比べて97.1万人減少(同52.5%減)しているので、およそ13.2億円の損失が発生していると考えられる。同様の傾向が1年続けば、約52.8億円の経済損失となる(詳細は図解)。

中国人インバウンド減少でも「日本はほぼノーダメージ」「中国側の自滅」と言えるワケ※筆者の仮説を基に試算し、図解はAI(ChatGPT)を用いて作成 拡大画像表示

 続いて、もうひとつのテーマである航空便だ。日中路線は中国系エアラインのシェアが高かったが、何しろ国を挙げての自粛なので、供給を減らしている。

 中国エアラインによる日本路線の便数は、11月初旬時点の9813便から12月には7432便に24.3%減少し、供給座席数は185万席から142万席に23.2%減少している。航空券が1席5万円、搭乗率8割の前提で試算すると、1カ月間で最大約172億円の旅客収入が失われた可能性がある。もし1年続けば、約2060億円の経済損失となる(詳細は図解)。

中国人インバウンド減少でも「日本はほぼノーダメージ」「中国側の自滅」と言えるワケ※筆者の仮説を基に試算し、図解はAI(ChatGPT)を用いて作成 拡大画像表示

 その他、中国人が日本で買い物する際に、銀聯カードやアリペイで決済していた手数料も中国側の収益だが、これも消失。飲食店や違法タクシーなど同胞向け商売を営む在日中国人の収益、本国への送金も減少したことだろう。

 結果として、訪日自粛した中国側も一定の経済損失を被った可能性が高いといえるだろう。