
「看護婦モード」から痴話げんかへ:シマケンとりんがぶつけ合う本音
文史朗は懸命に叔父の看護を手伝う。
「いい子ですね」とりんはシマケンに伝える。
りん「急なことで驚かれましたよね。何かしてほしいことがあれば、何でもおっしゃってください」
シマケン「ありがとう」
りんはお互いを知る間柄ではなく「看護婦モード」で接しており、普段のりんとシマケンとの態度とは違う。距離をとり、丁寧だ。
だが皮肉なことに、これまでのふたりの時間のなかで、いまが一番、お互いを深く感じているのではないだろうか。
帝都医大病院から藤田(坂口涼太郎)が往診に呼ばれる。胃がんの権威だから最強。もしかして手術も彼にしてもらったのだろうか。
術後の影響もあると思うが、急性胃腸カタルという診断。
さらに、虎太郎(小林虎之介)がいい薬をもってくる。
「島田さん、あんた努力し過ぎだ」
以前はシマケンに「努力していない」となじった虎太郎だったが、ここへ来て、彼の生きる努力を認めた。
藤田はりんにシマケンを託す。「今後の経過によっては、命にかかわる場合もあるかもしれない。とにかく水分を取らせて。あんな手術を乗り越えたんだ。ここで命を落とすわけにはいかない」
「頑張れ」と虎太郎も応援。
ひたすら、看護するりん。
「シマケンさん、頑張ってください」
「がんばってる」(弱々しい声で)
「そうですよね。もう十分頑張ってますよね」
頑張っている人に「頑張って」と言わないというのは、現在、定説になっている。相手の頑張りをまず、認めることが大事とされるからだ。
だが、虎太郎もりんも「頑張って」と言う。頑張っているのはわかったうえで、さらに、頑張って生きてほしい一心なのだ。
ここから、シマケンとりんが本音を語りあう。
「なんで?(実家のある浜松に)来てほしかった。一緒につれていきたかった。離したくなかった、手を」
「なんでは私の方です。なんで言ってくれなかったんですか? 言ってくれたら。言葉が足りないよ、シマケンさんいつも。いろんな言葉を知ってるはずなのに。大事なことはちっとも。なのにいま。ずるい」
「ずるい」「なんでいまさら」
冷静な看護から痴話げんかのようになっていく。
「あの時、意地張ったんだから。意地を張り切ってよ。張り切って生きてよ。文史朗さんのために生きて。頑張ってもっと頑張って生きて。生きてください」







