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ベッセント米財務長官は、日本にインフレ環境下での積極財政をやめるよう圧力をかけたと言われている。しかし米国でも、トランプ氏が185兆円ものバラマキ政策案を出すなど財政拡大のリスクが高まり、長期金利が急上昇している。世界は真剣に、ドル以外の資産に資金を投じ、リスク分散を急ぎ始めている。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
「1人77万円」トランプばらまき宣言
トランプ米大統領がまたもや、常識では考えられないような案を打ち出した。11月の中間選挙において上下両院で共和党が過半数を維持した場合、成人市民1人に5000ドル(1ドル=154円で約77万円)を支給すると宣言したのだ。
このような宣言をしたのは、今回が初めてではない。昨年11月、「関税で数兆ドルの収入がある」として、1人当たり少なくとも2000ドルの給付を行うと表明した。まだ実現していないが、この時もトランプ大統領は“配当”と呼んだ。
詳細は今のところ明確になっていないが、政府が国民に給付する、現金あるいはクーポンなどを指しているとみられる。条件に米国内での利用を付けるようだ。
成人市民は約2億4000万人いる。実現すれば歳出総額は約1兆2000億ドル(約185兆円)に達するが、その財源は示さなかった。トランプ氏は、「自分の政策がもたらした著しい経済的成功」が、今回の給付の原資になるとだけ述べた。
バンス副大統領は、富裕層を対象外にすること、関税収入を財源にすることを補足したがそれ以外は明らかにしなかった。当然ながら、与野党から批判は多い。
今後、懸念されるのは、トランプ氏がさらに大胆な行動に出ることだ。「米国を再び偉大にする」(MAGA)と唱え、関税引き上げ、イラン攻撃、グリーンランド領有主張などを行ってきた。支持率アップで自らの地位を守る=トランプ・ファーストの政治である。
さらに懸念されるのが、世界経済の混乱だ。トランプ配当の宣言後、米国の長期金利は急上昇した。ベッセント財務長官が主導し、財務省が国債買い入れ消却の金額を引き上げたにもかかわらず、効果はあまり見られなかった。
世界の大手投資家は、ドルの信認低下を危惧し、「ドル離れ」しつつある。各国の中央銀行では、真剣にドル以外の資産に資金を投じリスク分散を急ぎ始めている。一体どういうことか。







