世界の主要投資家は、トランプ政権下でドルが減価することを懸念して、ドルを売ってゴールドを買い、資産の価値を守ろうとしている。世界の外貨準備に占めるドルの割合も低下している。

 個人や民間の機関投資家の間でも、ゴールドの保有を増やすケースが出始めた。中央アジアでは、経済と安全保障の両面で中国と関係を強化し、ドルよりも人民元決済を重視する国もある。

 中長期的な視点では今後、投資家のドル離れは加速する可能性があるだろう。長期金利が上昇するリスクは高まっている。それに伴い、米国の資金調達コストは上昇することになる。

 その場合、米国自身が保有する資産防衛のために新たな動きを見せる可能性がある。年初には、ベネズエラ危機や、グリーンランド領有主張問題などが発生した。トランプ氏が財政資金を捻出するため、一方的に他国の領土を自国領だと主張し、地名などを変えるケースが出るかもしれない。

 それと同時に米国の景気が減速するようなことになると、世界経済は大きな混乱が発生するだろう。米連邦財政の悪化、それに伴う米国への信認の低下などによって、投資家のドル離れが顕在化するリスクには十分に注意したい。

 トランプ氏の政策運営を見る限り、そのリスクを過小評価するのは適切ではない。

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