過大徴収も2年半「放置」
蔓延する不正カルチャー

 なんと、中部電力はおととしの時点で計算ミスに気付いていたが、是正措置が取られないまま、同年4月から約2年半にわたり誤った料金が適用された。いわゆる「ネグっていた」のである。

「中部電力みたいな立派な大企業がなんでそんないい加減なことをするんだよ」と驚くかもしれないが、こんなものはまだ序の口で、もっと悪質な不正もバレている。

 実は今回、浜岡原発では改ざん以外にも「不適切請求」が発覚している。電力会社は廃炉にかかった費用を「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」という認可法人に請求することができる。2024年度分として約8億円をもらっていたのだが、その手続きでこれまた「改ざん」していた。

 廃炉の請負会社から受け取った2024年度の工事報告書について、解体した機器とその量を実際とは異なる数値に書き換えているケースが14件あった。関与した社員は「(廃炉作業の)計画通りの実績にしたかった」という(8月27日 産経新聞)。

 また、23年2月には、中部電力の小売事業を担う子会社・中部電力ミライズが本来は他部門で共有してはいけない新電力の顧客情報を、従業員5043人が閲覧していたことが明らかになった。その数は約10カ月間で39万9376件。関西電力でも同様の問題が起きているが3年間で15万件。目くそ鼻くそではあるが、中部電力の方が「不正に寛容な組織風土」とも受け取れる(2023年2月17日 日本経済新聞)。

 そしてさらに「闇」が深いのは、中部電力このような不正・改ざんカルチャーというのが昨日今日始まったことではなく、半世紀以上前から脈々と引き継がれている可能性もあるということだ。

 今から21年前、2005年4月25日の国会で野党議員が、資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長に対してこんな質問をした。

「浜岡原発の二号機につきまして、設計段階で耐震性性能の数値に改ざんがあったと、こういうようなことをおっしゃる、言わば内部告発的にこういうことをおっしゃる人が現れました。その方は、最初、文書を公開をされておりまして、最近では、今月の十五日でしょうか、静岡県庁で記者会見までやられておりまして、この事実がインターネット上にも出ておりまして、一部の人たちが大変心配をしております」(2005年4月25日 第162回国会参議院行政監視委員会 第5号

 告発者は東芝子会社に在籍していた元設計者。この人物によれば、1972年に部門ごとの設計者の代表が集まった会議で、計算担当者が「いろいろと計算したが無理だった。この数値では地震がくると浜岡原発はもたない」などと発言したうえで、データ偽造が行われたという(2005年4月22日 MyNewsJapan)。