トヨタ自動車の豊田章男会長 Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages
トヨタが中国市場に切り込む「重要な戦略」が動き始めそうだ。従来の系列サプライヤーにこだわらず、中国現地サプライヤーと協力体制を築くことで、よりスピーディーな地産地消、中国の高級車ニーズを満たすモデルの開発へ突き進むのか。業界に大きなインパクトを与えるに違いない、その車種とは。M&Aや合従連衡が進む可能性もあり、裾野が広い自動車産業に影響が出そうだ。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
トヨタが今あえて参入する
「第5の電動車」の正体
トヨタ自動車が2027年春、中国で「レンジエクステンダーEV」(EREV)を生産する計画だと報じられた。EREVとは小型エンジンで発電し、モーターで走行するクルマ。電気自動車(EV)より航続距離は長く、外部充電もできる。
EREVはEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)に次ぐ、「第5の電動車」と呼ばれている。新車販売台数で6年連続世界1位のトヨタは、豊田章男会長の下、全方位戦略を推し進めてきた。
EREVは、特別に目新しい電動車技術というわけではない。中国では、問界(AITO)や理想汽車がEREVを投入している。フォルクスワーゲン(VW)や日産自動車なども実用化している。
中国は景気後退で個人消費が低迷し、自動車の低価格競争がさらに激しくなっている。にもかかわらず、なぜ今トヨタはEREV投入を検討するのか。得意のHVを伸ばすのではなく、あえてEREVに挑戦する狙いは何か?







