業種と規模で生まれる差
働き方に残る非効率
第1は日本の産業内での差の大きさである。製造業では他の先進国と大差がないが、非製造業で劣っている。別の面からみると、他の先進国では業種特性の方が目立つが、日本ではそれ以上に規模特性(大企業と中小企業間での差)が目立つ。
近年の日本の投資は低位にあり、したがって資本装備率(労働者当たりの設備)が低下し、設備が古くなってもいるが、それが中小企業において顕著なのである。生産性の高い製造業大企業が海外に拠点を移し、現地で設備投資を行なう一方、非製造業中小企業を典型とする低生産性部門が相対的に国内に残っている。
第2に、これと関連して、日本生産性本部等が日米両国の生活体験者に対して行なったアンケート調査で、サービス業の質は日本がアメリカをある程度上回るが、価格はその分を反映して高くないこと、質を調整しても生産性で日本が低いとの結果がみられたと報告されている(注5)。おそらく多くの実感に合うものだろう。
第3に、無駄な労働時間、仕事の組み方の不合理が存在すると考えられる。この点は特に時間当たり労働生産性に現われ、労働時間が短いけれども能率がよくパフォーマンスが高い北欧やドイツとの対比で、しばしば指摘される。仕事の組み方に不合理を含んでいる組織の改善が不十分であれば、パワハラやブラック状態を生みやすいことにもなるだろう。
ものづくりには強いのに
IT活用で出遅れた日本
第4は、IT活用や教育訓練を含む無形資産投資の不足である。「ものづくり」技術における強みは失われていないが、IT化対応を苦手とし、後れをとったことは否定できない。
それは特に1995年のWindows 95発売以後のインターネットの爆発的な普及を採り入れ、活用する面においてであった。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)の「世界競争力ランキング」(もちろん1つの参考材料にとどまるものの、多くの数値指標を利用している)によると、日本は1989~92年まで1位、96年まで5位以内にあったが、97年に17位に急落し、2024年版では67カ国中38位にある。そのうち「デジタル競争力」では31位であった。







