広義でみると、1990年度29.5%から90年代に大きく上昇し、これも2020年度に急拡大したのち、24年度は39.4%となって、この間10%ポイント、3割強の上昇であった。この間をつうじて広義が狭義の約2倍という比率である。

社会保障は大きい一方
ほかの政府支出は小さい

 このように財政規模は拡大したが、国際的にはどうだろうか。そこで2022年時点での、OECD加盟31カ国の政府総支出(一般政府ベース)の対GDP比を表5-2でみてみよう。

表5-2 OECD31か国の政府総支出の対GDP比(順位:2022年)同書より転載 拡大画像表示

 これによれば、上の比率はフランスの58%を筆頭に散らばりが大きいが、40%台が中央に厚く分布している。アイルランドの21%は特異に低く、アメリカも25位:39%と小さな政府である。この中で日本は19位、43%と中位より下に位置している。この限りでは、こんにちでも比較的に小さな政府である。

 ところが注目すべきは、政府支出を社会保障支出とそれ以外とに分けてみると、各国の順位が大きく異なっていることである。日本は上のとおり総合では31カ国中19位だが、社会保障支出は8位:25.9%と高く、それ以外は29位:17.4%と最小に近い。

 日本の場合、全体としてやや小さな政府だが、高齢化で社会保障が大規模になり、他の政府活動はひじょうに小さい、ということができる。

 財政(政府)規模の議論に際してはこうした事情をふまえなければならない。すなわち、社会保障制度改革が必要であり、それ以外の政府機能が不足していないかチェックを要する、ということになる。