客待ちの順番抜かし、同業者に威嚇…
ハズレ運転手の「やりたい放題」

 例えば、駅・空港・繁華街などにある「タクシープール」での割り込みだ。

 タクシープールとは、タクシー乗り場の周辺に設けられており、客を乗せる順番が回って来るまでの間、タクシーが待機するためのスペースである。並び方や順番については、場所ごとにルールが存在するのだが、そこへ横から割り込んでくるタクシーがある。

「雑談がしつこい」「近距離だと舌打ち」現役タクシードライバーが明かす“ハズレ運転手”を回避するコツ駅前で順番を待つタクシー Photo:PIXTA
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 ルールを知らずに入ってしまい、注意されて引き下がるならまだいい。しかし、中には注意した同業者に逆ギレするドライバーもいる。

 また、公道で道を譲らない、強引に割り込む、煽るといった行為をするタクシードライバーも存在する。

 同僚から聞いた話で印象に残っているのが、窓を全開にして、すれ違うタクシーに怒鳴りつけるドライバーの話だ。痰を吐きかけるような真似までして、相手を威嚇していたらしい。

 同じエリアで営業しているのに、自分にはなかなか客がつかないことに対して「客を取られた」と逆恨みしたのか。自分の車両が旧型で、相手の車両が新型だったことが気に入らなかったのか。理由は本人にしか分からない。

 いずれにせよ、このドライバーが自己中心的なのは確かだ。怒鳴られたタクシーに乗っていた客が、運転手同士のいざこざを目の当たりにした結果、タクシーというサービスそのものに不信感を抱く可能性には一切配慮していない。

 こうした話は、タクシー会社の社内や、駅のタクシープール、休憩所などでの雑談を通じて、同業者の間で広まる。毎日同じ道を走り、同じ場所で顔を合わせるからこそ、仲間の目は厳しい。評判の悪いドライバーが、乗客に知られるより先に、同業者の間で有名になっていることもある。

 乗客に対する不機嫌な態度も、同業者への攻撃的な態度も、根っこの部分は似ている。

 長距離利用による売り上げが得られなかった。待機の順番を抜かしてでも、早く客を乗せたかった。根底にあるのは「少しでも稼ぎたい」という思いだ。

 もちろん、売り上げを気にすること自体は悪くない。生活がかかっている以上、そう思うのは自然なことだ。しかし、不満を乗客や同業者にぶつければ、業界全体に迷惑をかけ、自分の評判も落とす。