道順を細かく確認するドライバーは
ハズレ運転手ではない

 また、普段は問題なく接客しているドライバーでも、タイミングによっては、どうしても口数が減ったり、不機嫌になったりすることもある。

 歩合給で働くドライバーの、売り上げを少しでも増やしたいという焦り。期待と現実のギャップ。客の奪い合いによるストレス。そして、長時間勤務による疲労や体調不良。こうした要因が積もり積もって、普段なら抑えられる感情が表に出てしまうのだ。

 運転手も人間であり、時と場合によってコンディションも変わるため、ハズレを完全に避けるのは難しいのが正直なところだ。それでも、視覚情報やネットの情報など、できるだけ判断材料を増やして、自分とは合わない運転手に遭遇する可能性を少しでも下げてほしい。

 そして、最後に一つ、私から読者の皆さんにお願いがある。

「タクシードライバーに行き先を伝えたところ、道順を細かく確認されて嫌だった」「いちいちルートを聞かれて不快だった」と不満を持つことがあるかもしれないが、こういった運転手は決してハズレではない。むしろ丁寧な運転手だと言える。

 ドライバーと乗客の認識がズレたまま走り出せば「遠回りだ」とトラブルになりかねない。ルート確認は、お互いの行き違いを防ぎ、正確に目的地に向かうために必要なやり取りなのである。この事実を知った上で、運転手の良しあしを見極めてもらえると幸いだ。