わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】#25Photo:PIXTA

過度な早期教育や塾通い、そして体験格差――。子どもの外遊び時間が1980年代から半減する一方で、わが子を「アンダークラス」にしたくない親たちのチキンレースが熾烈を極めている。研究によれば近年、日本の子どもの身体に変化が起き、被虐待児と同じ特徴が出るまで、追い込まれている。特集『わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#25では、この過当競争を終わらせるすべを模索する。(教育ジャーナリスト おおたとしまさ)

子どもであっても競争することが強いられる
外遊びの時間は1981年からほぼ半減

 放課後に友達と遊ぶのが「週1回以下」と答えた小学生の割合はどれくらいだと思いますか?放課後NPO アフタースクールの「小学生の放課後の過ごし方に関する調査レポート」(2023年)によると、答えは70.9%です。

 では、小学4~6年生の平日の外遊びの時間は?シチズン時計の「『子どもの時間感覚』35 年の推移」(16年)によれば、平均1時間12分です。1981年には2時間11分でした。およそ半減です。10年前でこの数字です。

 さらに、小学生以下の子どもを持つ母親で、「自由に遊べる公園が少ない」と答えた割合は?第一生命経済研究所(現・第一ライフ資産運用経済研究所)の「地域の公園環境と子どもの外遊び」(2009年)によると、63.7%です。

「ボール遊び禁止」「火遊び禁止」のみならず、「大声を出さない」という看板までもが子どもたちをにらみ付けています。いま、子どもたちはいったいどこで遊べばいいのでしょうか。これじゃ、まるで子どもたちは社会の邪魔者です。

 下図は子どもたちの息苦しさを表す客観的データをまとめたものです。子どもが子どもであることが許されない社会です。

 日本体育大学の野井真吾氏をはじめとしたグループは15年の調査結果を基に、「子どもの“からだのおかしさ”に関する保育・教育現場の実感」という論文をまとめています。日本の子どもたちが被虐待児と同様の身体特徴を呈していることを示し、「塾や習いごとで多忙な毎日を送り、子どもであっても自己責任が問われ、常に競争することが強いられる上に、将来の希望さえ抱きにくい」と考察しています。