13万回の解析により
鼻先が四角になった理由

 まずは車両の「顔」から見ていこう。300系から500系はスピードアップを象徴する流線形を採用したが、700系は短いノーズでトンネル走行時の騒音を低減できる「カモノハシ顔」を採用。N700系、N700Sも(シャープさを増しながら)基本的な形状を継承した。

【N700S】デュアル スプリーム ウィング形,【S0系】新開発「ツイン リーメクス形」JR東海プレスリリースより抜粋 拡大画像表示

 そうした中、S0系のノーズはN700Sの「デュアル スプリーム ウィング形」から、新開発の「ツイン リーメクス形」に変更された。リーメクスとは鳥の風切羽のこと。JR東海は「車体側面から先頭部に至る滑らかな面のねじれを風切羽の形態に喩え、先頭と後尾のいずれにおいても風の流れを操る形状を表現」と説明する。

 大まかな形状は変わらないが、意外だったのは、鼻先が四角い点だ。直感的には滑らかな形状の方が空気を操りやすいように思えるが、そう単純な話ではないらしい。

 同社に聞くと、「ツイン リーメクス形」は、3Dシミュレーションによる膨大な解析を実施し、空気抵抗低減とトンネル突入時の騒音低減を両立する形状として開発したという。

 N700Sでは約600種類、解析ケース5万回程度の解析だったのに対し、S0系では約2500種類、解析ケース13万回程度の解析を実施し、現在の形状に至った。先頭部の空気抵抗はN700Sと比べて約3%低減する見込み。先頭車両としての形状も重要だが、最後尾になったときの走行安定性への影響も、解析の重要なポイントだそうだ。