新幹線の自動運転はここまで進化!
省エネ走行と安全性を支える新技術
機能面では何が新しいのか。プレスリリースが第一に掲げるのは「自動運転システム(GOA2)の搭載による安定した輸送サービスの提供」だ。GOA2とは鉄道車両の自動運転レベルの分類で、運転免許を保有した運転士が乗務した上で機械(ATO)が自動運転を行う形態を指す。
東海道新幹線の自動運転については、2023年5月22日付記事『新幹線の自動運転、JR東海は「とてつもない精度」をどう実現したのか?』で取り上げたように、2028年以降の実施が予告されていた。
今回の発表によれば、2029年7月からS0系量産車が自動運転機能(ボタン押下による出発、定時運転機能)の使用を開始し、同年10月以降順次、N700Sを改造して同機能を追加する。ATO化は全ての車両を更新・改造後に一斉実施することが多いが、東海道新幹線では機能を搭載した車両から順次使用していく。
既存車両の自動運転対応工事の対象はN700Sのみで、N700Aタイプについては搭載を予定していない。N700AにはN700系から改造した車両と、N700Aとして新造された車両があるが、前者は既に置き換えが始まっている。東海道新幹線の車両は概ね13~15年で更新されるため、N700AはS0系に置き換わる形で姿を消す。
鉄道車両の自動運転は30年以上前から広く普及しており、技術的なハードルは高くないが、同社が開発するATOは一味違う。詳細は前掲記事をご覧いただきたいが、最大の違いは設計思想にある。
一般的なATOは、あらかじめプログラミングされた同一の運転曲線に沿って加速、減速、停車を行うが、東海道新幹線は同じ「のぞみ」でも区間ごとの走行速度が異なるため、手動運転においても、次駅の到着時刻を基準に速度を調整している。
これをそのままATO化すべく、数キロおきに設置されたトランスポンダ(地上と車両で送受信する装置)から現在位置を取得・補正し、車輪の回転数から距離を算出。勾配やカーブ、橋梁(きょうりょう)、トンネルなど、線路条件を記録したデータベースと現在位置を参照し、0.1秒ごとに次駅に定時到着できる運転曲線を作成して速度を調整する。







