ポジティブ心理学の研究者であるステファニー・ハリソンがそれを強く警告しているように、ともすると現代人は何の気なしにスマホをスクロールし、テレビをつけてしまうが、その危うさに気がつかねばなりません。
SNSやメディアとのつき合い方を意識的に行うことで、私たちはそれによってもたらされる不安やストレスを減らすことができます。また、進んで自分の望むものを視聴することで気分が良くなり、他人とのつながりも持とうという気になるかもしれません。
意識的にSNSやメディアとつき合っていくということは、ぼんやりと視聴し続けたり、逃避行動の1つとしてそれらを消費したりすることを避けることでもあります。集中が続かない、あるいはいつも落ち着かないというメディア消費の害も減らすことにつながります。
SNSを見る前に
「目的」を考えてみる
やはりここでも大切なのは意識的であること、マインドフルネスの実践でしょう。
私たちがSNSを使う時はそれがどんな目的を持っているのか、少しだけ考えてみましょう。
人とつながるためか、それとも心の空洞を埋めるためなのか。自分の幸福感を上げるのか、恐れや不安を増幅してしまうのか。SNSと接する時にそれらを意識することです。
心理セラピストで行動専門家のスティーブン・ローゼンバーグ博士はメディアとの節度あるつき合い方を強調しています。今ではインターネットの情報量は膨大ですが、だからこそマインドフルな、意識的なつき合いが必要だというのです。
たとえば、ネットに接する際には、それが心から楽しめるものか、何か新たな学びがあるかを基準にしてはどうかと提唱しています。
そうやってうまくインターネットとつき合うことで、人は心の健康を維持し、幸福感を上げながら、周りの人とより良くつき合うことができるようにもなるのです。
先に挙げたハリソンは、学び、つながり、喜びの基準(Learn/Connect/Joy Rule)を唱えています。
そのニュースソースに接することによって「学びを得ることができるか」「他人とのつながりを深めることができるか」そして「喜びを見出すことができるか」を基準に、何を見るか、見ないかを選択するのです。
『行動心理学が明らかにした ネガティブ思考を手放す技術』(ニック・トレントン著、林田レジリ浩文訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
これによって人は自分の価値観を明確化でき、自分の貴重な人生の時間を有意義に使えているかも明確にすることができます。少なくとも自分を消耗させること、気分が沈むものは遠ざけるのが賢明です。
便利に情報を得ることが可能な現代ですが、だからこそ節度をもって接することの大切さも合わせて理解しなければなりません。
ローゼンバーグ博士は、ネットとリアルのバランスを考えて生活することも喚起しています。
「言うは易く行うは難し」と思われるかもしれませんが、小さなことからはじめていけば良いのです。ローゼンバーグ博士とハリソンの両氏ともに、ソーシャルメディアに意識的に接するための作法として、タイマーを活用して視聴時間を規制することを説いています。
習慣を変えるには大きなことが必要とは限りません。ちょっとしたこと、できることからはじめてみましょう。







