マンション羅針盤 管理&売買#12Photo by Haruhiko.Outa

豪華な飾りがムダだと毎年何かとSNSとマンション管理組合で炎上ネタとなる「クリスマスツリー」そして「門松」問題。実は適切に対応すればマンションの資産価値アップやその後も合意形成がしやすい組合になるなど実はいいことずくめという。炎上せずにうまく実現させるためのポイントを、理事長団体代表でありマンション管理士でもある筆者が詳細に解説する。(マンション管理士 應田治彦)

クリスマスツリー1本で総会が大炎上?
マンション理事会の“意外な地雷”が資産価値を左右する理由

 年末年始のこの時期、マンション管理組合理事会や総会で最も「合意形成が難しい」典型案件が出現し、しばしばSNSを賑わせます。それがクリスマスツリーや門松(正月飾り)などの季節飾りの是非についてです。

 大規模修繕工事や管理費値上げのような億単位の議案は、専門家がデータを示せば何とか通る。なのに、なぜかクリスマスツリーと門松は炎上します。「ツリーに150万円なんて無駄!」 「門松なんて古臭い、置かなくていい!」という声が飛び交うのです。住民掲示板が炎上、理事がストレスで辞任寸前……という事例を、私は自分のマンション管理組合の理事としても、管理士としての顧問先組合でも何度も見ています。

SNS炎上の定番「マンションエントランスの豪華なクリスマスツリー」問題、うまく利用すれば資産価値アップにも!トラブらない導入方法を組合理事会向けに解説Photo by H.O.

 実は、この小さな支出は、マンションの資産価値や住民満足度に直結する、意外な「投資案件」でもあります。特に湾岸エリアの2層吹き抜け巨大タワーマンションでは、エントランスにど派手なツリーを置けば来客や内見者が「凄い!」と感動し、物件のプレミアム感がぐっと上がります。一方、しょぼい飾りしかなかったり、そもそも何も置いていなかったりすると、殺風景で損をするリスクすらあるのです。1戸あたり数千円の負担で、そんな価値向上が得られるなら「あり」ではないでしょうか?

 今回は、なぜ季節飾りがこんなに揉めやすいのか、その背景と実例を挙げつつ、資産価値向上の経済的視点からスムーズに通すコツをお伝えします。小さなコミュニティでもあるマンションで、この小さな決断が、将来の売却価格や入居率に影響することもある――そんな実務的な話を次ページからご紹介していきましょう。