実は自慢の髪の毛なんです。私の髪の毛は真っ黒ですが、生まれてから56年間一度も染めたことがない!この話は私の鉄板ネタの1つで、どこで誰に話しても「うそー!」と場が一瞬盛り上がります。一瞬ですけどね。
ですから、大切な黒髪。踏ん切りがつかない。バッサリいくんだけど、そんなにバッサリ切らないでね!という微妙な心模様になってしまうのです。
闘病生活を「とくダネ!」に
密着してもらうことにした
「じゃあ、このくらいにしときましょうか?」
この言葉に安堵した私。しかし、ここで散髪は終わりませんでした。なぜなら、この日、私の散髪シーンを撮影するために「とくダネ!」の笠井密着取材班が病院に来てくれていたからです。
私が「とくダネ!」で病名の告白をした日、楽屋に渡邊貴チーフプロデューサー(CP)がやって来て「密着取材をさせてほしい」との依頼があり、私が承諾したからです。
闘病を自分のブログやインスタグラムで発信するだけでは、独りよがりになってしまう可能性があります。テレビカメラが客観的に私の入院生活を伝えてくれるのはこのうえないことだと思いました。
取材メンバーは、高須尚史D、佐々木明日香D、そして永野陽子Dといったベテラン3人組。永野Dの自宅には何度飲みにいったかわかりません。気の置けない親しいメンバーを集めてくれた渡邊CPには感謝しかありません。
ただ、入院患者への密着取材というものはなかなかハードルが高いものがあります。病院にとっては宣伝になるので良いかと思うかもしれませんが、私のように死ぬか生きるかというような病気の場合、密着中に万が一亡くなってしまった場合、その治療法が最善のものだったとしても病院の評判にどうしても影響を与えてしまいます。
私の希望も病院側の希望も、病院の名前を伏せるというものでした。主治医の先生には密着取材を認めてくださって本当に感謝しています。
「もっと切った方がいいかな?」
密着カメラを前に心変わり
散髪の日の取材ディレクターは高須さんでした。バッサリ行くのですから画になります。しかし、蓋を開けてみたら、当人(私)はバッサリどころか、おしゃれなプロ野球選手を目指していました(笑)。
実は私も「これじゃ画にならないかな」とは感じていたので、思わず高須さんに「もっと切った方がいいかな?」と聞いてしまったのです。高須さんは控え目に「うん」。それで、「もうすこし切りましょう」とお願いしました。
『生きる力 がん寛解までの記録』(笠井信輔、KADOKAWA)
不安な思いの中さらに短く髪を切って新しい髪型=NEW笠井の誕生です。鏡を見ると、自然と笑ってしまいます。こんな自分見たことない。
ところが高須さんは、「あまり変わってないですね」というのです。そして決定的な一言、「丸刈りにすると思ってました」
なんですと!それって、インパクトの強い画を撮りたいだけでしょ。ほんとテレビマンって……と思いましたね。
私の散髪式は、ショックを受けるどころか、ワーワー笑いながら、高須さんと突っ込みあいながら、実ににぎやかに楽しいひと時となりました。新しい自分との出会いを楽しみました。
すべてが終わった後、改めて鏡をみて私は驚きました。私の2人の弟にそっくりになったのです。やっぱり兄弟だった。髪の毛をバッサリ(?)切った一番の感想がそれでした。







