Photo:AI Generated/Google gemini
主要メディアで働く人材が近年、著しく流出している。業界団体の調査によると、四半世紀でメディアの従業員数は4割減、「辞めたい」と考えている人も4割程度いるとされ、深刻な状況だ。そして人材流出に伴い、現場での記者育成にも暗い影を落としている。ダイヤモンド編集部は若手・中堅世代の主要メディア関係者55人を対象にアンケートを実施し、本音を探った。連載『メディア興亡』では、3回に分けてメディア関係者が抱える「辞めたい」という気持ちの原因を暴いていく。第2回となる本稿は「教育と育成」にスポットライトを当てる。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
人生設計の不安だけが辞めたい理由ではない
「ほったらかし現場」に充満する疲弊と困惑
前回は、メディア業界に渦巻く「キャリアと転勤」への本音に迫った。メディア関係者の「辞めたい」気持ちの根っこにあるのは、単に待遇への不満や業績不振に対する不安だけではないことが明らかになった。
だがアンケート結果を熟読していくと、それ以外にも共通する悩みが浮き彫りになってきた。長年のオン・ザ・ジョブトレーニング(OJT)文化がもたらした指導環境が「機能不全」に陥っている現実があったのだ。「ほったらかし」同然で現場にいる関係者の中には疲弊と困惑が充満しているようだ。
ダイヤモンド編集部が独自に実施したアンケートは、主要新聞社、通信社、テレビ局、出版社で働く20~40代の若手・中堅世代を対象としている。
質問はシンプルに「キャリアや働きがい、ハラスメント、経営環境に対する不安、人材流出といった現場で現在感じている悩みを教えてください」という1問に絞った。各地で報道、営業業務に従事する計130人にアンケートを送付したところ、うち55人からの回答を得た。見えてきたのは「待遇への不満」や「業績への不安」に限らない、メディア業界にまん延する根深い「三つの課題」だった。
本稿では三つの課題のうちの一つ「教育と育成」に関わる悩みにフォーカスする。この問題はキャリアと転勤に次いで多くの不満が寄せられた。次ページでそれぞれの嘆きを紹介し、そこから見えてきたメディア業界の教育制度の課題を考えていく。







