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国内の新聞社では異例の財務KPI(重要業績評価指標)を掲げて中期成長指針を策定した北海道新聞社が、新たな評価制度を用いた賃金制度の導入を計画していることが分かった。能力給の一律ベースアップや時間外手当の抜本的な見直しといった大胆なメニューが並ぶ。しかし、10月中旬以降の社内説明会を経た今も社員の間では納得感が広がらず、むしろ「給与が減ってしまうのでは」という不安が渦巻く。連載『メディア興亡』の本稿では、#29に引き続き、道新が進める「脱・年功序列」改革の全貌に迫る。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
部数激減で急ぐ収益多角化の道
道新が策定した新評価・賃金制度の中身
北海道新聞社は経営改善に向けて、国内の新聞社では類を見ないROIC(投下資本利益率)などの数値目標を中期成長指針「DOSHIN Drive 2035」に盛り込み、改革を進めている。これまで経営は新聞事業に依存していた。これを、不動産やデジタル分野のビジネス強化で収益の柱を多角化させる狙いだ。
現在のコアビジネスである新聞は、2001年に122万部の朝刊発行部数を誇っていたが、26年には68万部まで減少し、売り上げは急激に縮小。これ以上の業績悪化を防ぐべく、人員削減策や印刷工場の閉鎖を進めていった(詳細は連載『メディア興亡』#29『【内部資料入手】北海道新聞社の中期成長指針が判明、新聞社で異例の「ROIC経営」に舵切り…それでも社員が腹落ちしない根本理由』参照)。
だが、DOSHIN Drive 2035には数値目標やビジネスに関する項目のみならず、「戦略的人事制度の確立」という改革案も含まれていた。具体的には局ごとの固定的な定員制を見直し、経営戦略や業務量、スキルに応じた「機動的人員配置が可能な制度」へ刷新するというもの。この制度を実現するために、道新は「人事評価制度の再構築」を28年度以降に実施する目標を掲げていたのだ。
そして道新は今年10月以降、新たな人事評価制度と、それに基づく新賃金制度を社内説明会で社員向けに公表した。そこに描かれていたのは、現行制度の手当を大幅に見直し、数年をかけて能力重視のルールに変更していく極めて大胆な方策だった。
ダイヤモンド編集部は、道新がまとめた新たな人事評価と賃金制度に関する内部資料を独自に入手。次ページで新制度の詳しい中身や、社内説明会であらわになった社員が抱える不安を紹介していく。







