Photo by Shuhei Inomata
メディア各社が即戦力の人材を確保するためキャリア採用に力を入れる中、日本経済新聞社が破格のインセンティブを伴うリファラル(紹介)採用をしていることが分かった。優秀な人材を主に同業他社から引き込む目的の制度だが、理論上は人材紹介のみで賞与並みの手当を受け取っている社員がいるとみられる。連載『メディア興亡』の本稿では、ダイヤモンド編集部が独自に入手した日経の内部資料と関係者の証言から、驚愕のリファラル採用制度の詳細を明かす。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
熾烈なメディア人材獲得合戦
「辞めヨミ」も当たり前の現状
メディア業界の人材は出入りが激しい。特に記者職ではその傾向が顕著である。定時がないに等しい業務環境に限界を感じて業界を去る記者もいれば、より待遇の良い同業他社へ転職する記者もいる。
例えば朝日新聞社の関係者は「読売新聞社からの転職組をまとめて『辞めヨミ部隊』と呼んでいる」という。また、元読売の関係者は「中途採用された記者がミスすると『まあ、あの人は外様だから』とやゆする風潮があり、嫌な気持ちになることもあった」と打ち明けた。他にも毎日新聞社からNHKに移った記者、地方新聞社から読売へ移った記者もいる。つまり、転職者が編集部門にいる光景は決して珍しくはない。
ある全国紙のベテラン記者は「同業他社からやって来る人材は一から教育する手間が省ける。新卒採用よりもキャリア採用に力を入れるメディアも中にはあるくらいだ」と説明する。実際、インターネットで「新聞社 キャリア採用」と検索すれば、全国紙を中心に各社の求人がヒットする。
そうした中、日本経済新聞社がキャリア人材を紹介した社員に高額の手当を支給するリファラル(紹介)採用をしている事実が判明した。次ページでは、日経のリファラル採用制度で手当として支給される金額の具体的な中身の全貌を、独自入手した内部資料や証言から明らかにする。







