猪股修平
#1
全国の新聞社や放送局にニュースを配信する時事通信社の中期経営計画(2025~27年度)をダイヤモンド編集部が独自に入手した。同社は長年赤字が続くが、中計に記されていたのは再建への具体的なロードマップではなく、数値目標を放棄した経営陣の「迷走」だった。電通株の配当を命綱に、不透明な資産運用で食いつなぐ名門通信社の断末魔を詳報する。

三菱商事は1月16日、米国でシェールガス事業を手掛けるAethon(エーソン)を子会社化すると明らかにした。純有利子負債23億ドルの引き継ぎを含めた買収総額は約1.2兆円と、同社で過去最大の投資案件となる。昨年4月に公表した経営戦略で「約3兆円以上の拡張・新規投資を計画する」としており、少なくない部分を天然ガスに費やす姿勢を示した形だ。狙いは何か。

「出戻り組」として異例の社長抜てきとなった丸紅の大本晶之社長は、2030年までに時価総額10兆円という壮大な目標を就任1年目にぶち上げた。その要となるのは、丸紅の成長をけん引してきた「戦略プラットフォーム」と呼ばれる事業群だ。大本社長に10兆円企業への手応えと勝ち筋を聞いた。

財閥系商社の一角である住友商事は、2025年に相次いで巨額の投資案件を発表した。資産入れ替えで着実に純利益を伸ばしつつ、強みとなる「8事業」を軸に今後さらなる「新陳代謝」を図るものだ。かじ取り役である上野真吾社長に成長への勝ち筋を聞いた。

キヤノン子会社で同社製品の国内販売などを手掛けるキヤノンマーケティングジャパンの総還元性向が259%超と異次元の数字をたたき出している。その背景には、株式保有比率の適正化に向けた奔走があった。経営の効率化と株主への高配当を共に実現させた理由について、大里剛経理本部長が明かした。

秋田県沖と千葉県沖の洋上風力発電事業からの撤退を決断した三菱商事だが、液化天然ガス(LNG)の新たな権益獲得を進めるなど、日本のエネルギー界における存在感はまだまだ大きい。苦渋の決断を下した先に何を見据えているのか。中西勝也社長が胸中を明かした。

資源価格高騰の反動の影響を受けず、着実に右肩上がりで成長してきた伊藤忠商事。2026年3月期の通期純利益は9000億円を見込み、悲願だった「財閥系商社超え」を達成する公算が大きい。さらなる成長のための「勝ち筋」は何か。

三井物産は、2026年3月期の期初見通しを中間決算で上方修正した。エネルギー、ヘルスケア、食糧事業を軸に収益力を拡大。「純利益1兆円超」を常態化させるビジョンを鮮明にしている。堀健一社長が1兆円を優に超える利益水準を目指して描く次の中期経営計画とそれを実現するためのマネジメントの胆、後継者と若手のそれぞれに求める力について語った。

2020年代初頭、資源価格高騰を背景に総合商社各社は過去最高益をマークした。以降、投資額は年々大規模化している。26年もこの傾向が続きそうだ。

「ハローキティ」や「ポムポムプリン」で世界に名をはせるサンリオの勢いが止まらない。2025年3月期決算で自己資本利益率(ROE)は48.6%、売上高は前期比44.9%増の1449億円と、好調が続く総合商社を凌駕(りょうが)する成長を果たした。セクター上は卸売業だが、同社はエンターテインメントの力で業種の枠にとどまらない次なる一手を模索する。この勢いはどこまで続くのか。同社経営管理本部長の松本成一郎常務に聞いた。

ソフトウェア会社のアセンテックは2025年1月期の売上高が前年同期比134.3%増の145億円と、大きな伸びを見せた。事実、総合商社vs専門商社vs卸「経営力」ランキングにおいて最も高い年平均売上高成長率をマークした。急成長の裏に何があったのか。

国内の通信社として最大規模の共同通信と双璧を成す時事通信の収支状況が、悪化の一途だ。2025年3月期は10億円超の赤字を計上し、今期は頼みの綱だった電通からの中間配当が無配となったため、さらなる赤字が見込まれる。依願退職者の増加は止まらず、今期はついに役員らの報酬カットに踏み込んだ。社員からは「もうこの会社にはいられない」と悲鳴が上がっている。

国内外にニュースを配信し、日本を代表するメディアである共同通信が、地方支局の人員削減策を断行している。人手が限られる現場からは、業務の負担増加のみならず「人手不足による事件・事故の十分な対応ができなくなる」と不安が高まる。反発の声が大きい中、なぜ取材網の縮小を急ぐのか。ダイヤモンド編集部が独自に入手した内部資料から、その理由と全貌が見えてきた。

丸紅は11月27日、常務執行役員で次世代事業開発本部長の大本晶之氏を次期社長にする人事を発表した。大本氏は一度マッキンゼーに転職した「出戻り」の経歴を持つ。丸紅一筋の社員にバトンを託さなかった柿木真澄社長には、同社の「完全実力主義」をアピールする思惑があるようだ。

国内の通信社として最大規模の共同通信と双璧を成す時事通信の収支状況が、悪化の一途だ。2025年3月期は10億円超の赤字を計上し、今期は頼みの綱だった電通からの中間配当が無配となったため、さらなる赤字が見込まれる。依願退職者の増加は止まらず、今期はついに役員らの報酬カットに踏み込んだ。社員からは「もうこの会社にはいられない」と悲鳴が上がっている。

伊藤忠商事の岡藤正広会長が、社長に就いてから来年で15年となる。2018年の会長就任後も権勢を振るい、トップダウン型の経営はまだまだ続くようだ。石井敬太社長との関係は良好で、現体制は盤石だ。しかし水面下で次期社長候補の名がささやかれ始めている。

ダイヤモンド編集部は、伊藤忠商事の賃上げを巡る内部資料を入手した。同資料には、財閥系商社に肩を並べるための意気込みと、来年度の部長級の年収を最大4000万円超に引き上げる旨が記してあった。社外からは羨望(せんぼう)のコメントが寄せられているが、恩恵を受けるはずの社員からは冷ややかな声も上がっている。

#2
実は、日本の上場企業における「年収1億円以上」のビジネスパーソン1199人のうち、約14人に1人は商社・卸売業界の役員が占めている。顔触れを見ると、誰もが知る大手総合商社のみならず、老舗の専門商社や在阪商社の役員も。

丸紅は今年2月に公表した2027年度までの3カ年の中期経営計画で、2030年度に時価総額10兆円超とする業界では異例の目標を掲げた。丸紅の古谷孝之代表取締役専務執行役員CFOに時価総額目標を掲げた理由に加え、企業価値評価をどう上げていくのかについて聞いた。また、投資方針や投資規律の考え方や過去に課題だった財務基盤の現状についても解説してもらった。

米国のトランプ関税や地政学リスクの総合商社の業績への影響は限られ、各社の事業ポートフォリオは非常に安定しているといえる。ただし、全てのセグメントが常時好調というわけではない。では、社員1人当たりの利益で見た時に、どの部門が最も効率的に稼いでいるのか。連載『クローズアップ商社』の本稿では、2025年3月期決算を基に作成した、7大商社の全63セグメントの社員1人当たり利益のランキングを公開する。
