メディア興亡#12Photo by Shuhei Inomata

公称83万部を誇り、全国紙の一角を担う「産経新聞」を発行する産業経済新聞社。フジサンケイグループの報道中核を担う同社だが、その経営環境は峻烈だ。ダイヤモンド編集部は今回、産経新聞の内部資料を独自入手。連載『メディア興亡』の本稿で、激減する賞与の決定通知や、詳細な給与テーブルが明かす「全国紙記者」のシビアな待遇の実態を徹底解剖する。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)

相次ぐ地方支局の閉鎖と「夕刊フジ」休刊
グループ中核でも拭えぬ「新聞単体」の窮状

 83万5611部。産業経済新聞社が自社媒体を紹介する「SANKEIメディアガイド2025-26」には、2024年下半期現在の「産経新聞」の発行部数が記してある。

 24年9月末に富山県での発行を休止している一方、ほとんどの購読者は首都圏か関西圏に集中している。特に大阪府内での購読部数は、自治体別に見れば読売新聞や朝日新聞を上回る地域もある。「産経は東北や九州など地方の支局の閉鎖が相次いだが、リソースを都市部に集中させて生き残りを懸けているようだ」(他紙のベテラン記者)。

 しかし、衰退の勢いは激しい。25年1月には、1969年から半世紀以上発行し続けた「夕刊フジ」を休刊した。産経は経費削減の限界などを理由にしている。

 主軸である産経新聞の部数減少も著しい。産経関係者は「今年に入ってから、部数は80万部を割り、米ニューヨークとエジプト・カイロの支局を閉鎖する動きがあった。フジ・メディア・ホールディングス(FMH)と資本関係はあるが、新聞社単体ではかなり厳しい状況といえる」と窮状を明かす。

 では、経営が厳しい中で産経の社員たちはどのような待遇にあるのか。次ページでは、ダイヤモンド編集部が独自に入手した内部資料から給与テーブルの全貌や、直近の賞与について明らかにしていく。