悪い報告を受けたら、まずは「ねぎらい」の言葉をかけよう

 あなたが、取引上で大きなミスをしてしまったとします。上司に報告したとき、次のように叱責を受けました。あなたは、部下としてどちらの言葉によい反応をしますか。

1.「大変だったな、報告ありがとう。詳しく聞かせてくれないか」
 2.「何やっているんだ!なんで、そうなったのか教えてくれよ」

 たいていの方は、1を選ぶのではないでしょうか。1は報告をしてきたことをねぎらっているのに対して、2は部下を問い詰める言い方をしていますね。

 1と2では、部下の反応は大きく変わります。伝わり方がまるで違ってきます。でも、実は言っているのは同じことなのです。2のような言い方をしている上司には、そのうち「報連相」は必要最低限しか上がってこなくなるでしょう。たとえ、上がってきたとしてもいい話ばかり……。

「報連相」は、上司にとって永遠のテーマです。「報連相」が上がってこない原因は、上司側にあることも少なくありません。
 勇気を持って悪い報告を上げてきたことに対して、「何やっているんだ!」と叱りつけられたり、「人として恥ずかしくないのか」と人格否定までされては、部下は悪い報告をしなくなってしまいます。
 そうすると大事なことが隠蔽されたり、上司に伝わってこなくなってしまいます。

 ただ、そうは言っても思い切り叱りつけたくなることもあるでしょう。でも、そんなときは、自分が若いころにしでかした失敗を思い出してみましょう。すると、悪い報告をするには勇気がいることを思い出し、自然に部下をねぎらえるようになるのではないでしょうか。