要領の得ない部下から話を引き出すフレーズ

 次に、要領の得ない部下から話を引き出す方法について考えてみましょう。
部下が悪い報告をしてきたとき、最初は「大変だったな」とねぎらったとします。しかしその後も要領の得ないままでしたら、「何が言いたいんだ」「しっかりしろ」と頭ごなしに叱ってしまいそうです。

 そうすると、せっかく最初にねぎらったことも帳消しになってしまいます。では、どのような言葉をかけたらいいのか、3つのケースに分けて考えてみましょう。

1. 本当に何を言っているかわからないケース
 この場合は、「何が言いたいんだ」と叱りつけるのではなく、穏やかな口調で次のように話してみましょう。
「話してくれてありがとう。話を整理したいので、もう一度話してもらえるかな」

2. 部分的にわからないケース
 部分的にわからないことだけを解決すればいいのに、全体がわからないと判断してしまうのは上司側に問題があります。この場合、上司が最初から部下の話を理解しようとしていないことが少なくありません。そうではなく、理解しようとする姿勢を持ちます。そのうえで、わからない部分を聞けばいいのです。
「なるほどね。この部分がわからないので、もう少し詳しく教えてもらえるかな」

3. 前置きが長く、結論がわからないケース
 このような部下には「結論から教えてくれるかな」と伝えてみましょう。

 自分の考えをまとめていない部下もいますが、中にはしっかり考えをまとめている部下もいます。しかし、しっかり考えをまとめている部下でも要領が得なくなる場合があります。威圧感のある上司を恐れ、緊張してしゃべれなくなってしまうのです。
 そもそも上司の役割は、部下のモチベーションを上げて、適切な行動を取らせることで最大の成果を生み出すことです。そのためには、日ごろから上司は部下が相談しやすい雰囲気をつくっておくべきです。