法科大学院が5年に1度、受けることを義務づけられている第三者機関による認証評価結果が3月発表された。
2008年度下期発表分の認証評価で、04年度(初年度)に開校した68校がすべて評価を受けたことになるが、そのなかで「不合格」(認証評価では「不適合」という用語が使われる)とされた学校はなんと3分の1、22校に上った。
認証評価は、微に入り細をうがつ徹底した内容だ。たとえば専任教員一人ひとりの経歴、あるいは単位を落とした学生に対する再試験の内容まで踏み込んでチェックがなされており、50近い項目で1つでも基準を満たしていなければ「不適合」判定が下され、文部科学省の調査・指導が入ることになる。
今回、深刻な現状が明らかになったのは姫路獨協大学法科大学院。入学者数は07年度8人、08年度6人、09年度5人で、定員40人(09年度から30人に削減)の5分の1にも満たない。経営だけでなく、授業すら成立しないのではないかと要らぬ心配もしたくなるレベルだ。
姫路獨協大だけではない。08年度は半分以上の46の法科大学院で定員割れを生じている。06年に始まった新司法試験の結果が積み重なって優勝劣敗が明らかになっており、合格実績が低い大学院は受験生すら集められなくなっているのである。
折しも10年度に新司法試験の合格者数3000人(08年度は2065人)という目標の見直しに日本弁護士連合会や法務省などが動き始めた。一部の法科大学院では定員削減だけでなく、合併や廃校なども議論されているといわれ、根本的な見直しは必至の情勢。乱立する法科大学院のお先は真っ暗である。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 千野信浩)