小泉純一郎がやったこと。
「病人のダイエット」

「公共事業は税金の無駄。産業保護は民間活力を削ぐ。政府は貨幣量の調整だけ行え」。

 1980年代、レーガン大統領が新自由主義的な経済政策、レーガノミクスを開始。イギリスでも「鉄の女」サッチャー首相が国営企業民営化と、公務員削減を断行します。

 日本でも1980年代の中曽根康弘内閣が国鉄をJR各社に分割・民営化しました。橋本龍太郎内閣の「構造改革」(1990年代後半)、小泉純一郎内閣の「聖域なき構造改革」(2000年代前半)が、新自由主義的な政策です。

「自民党をぶっ壊す!」と叫んだ小泉首相は、党内での権力闘争に勝利するため緊縮財政に転じ、田中派の権力基盤だった道路公団と郵政省の民営化を断行します。

 バブル崩壊後の日本で、橋本や小泉が公共事業削減などの新自由主義を採用したことは、デフレを長期化させました。病人がダイエットをするようなものです。何が正しいかは、状況によって変わるのです。