「日本の借金は約1000兆円。このままでは財政破綻してしまう!」。こんな話を聞いたことはありませんか? 歴史上、「財政破綻」の結果、滅亡した国はたくさんあります。古代ローマ帝国や歴代中華帝国です。その滅亡の過程を知ることで、ある教訓を学ぶことができます。
日本の借金は約1000兆円。
財政問題を歴史から学ぼう!
本日は、財政、つまり「国家とお金」にスポットを当てていきます。
財政とは、政府の収入と支出のことです。収入(主に税収)と支出(公共事業や軍事)にアンバランスが出ることを財政赤字(財政不均衡)といいます。現在の日本は、財政赤字が約1000兆円にまで膨れ上がっています。消費税増税の議論の根底にあるのもこの問題です。
古代エジプトでは、国土全体が国王の所有地で、人民が税として納めた膨大な量の穀物は国庫に納められました。税収は豊かだったわけです。
一方、エジプト王国の最大の支出は、公共事業費でした。毎年7月から10月にかけてナイル川の氾濫が起き、泥沼化した国土の復旧作業に大量の人民が動員されましたが、このとき給与として穀物が支給されたのです。
ナイル河畔に立ち並ぶ巨大なピラミッドや神殿建設にも大量の人民が動員されます。これは王権の強大さを誇ると同時に、もう1つ大きな役割がありました。