「単なるモノ」として課税対象に
対策のベースとなる2つのポイント

 最近、マウントゴックス社が破綻に追い込まれた事件に対応すべく、ようやく「ビットコインは民法上の通貨ではなく、金融取引法上の金融商品でもない」との見解が出された。つまり、基本的にビットコインは金と同じような「単なるモノ」という位置づけが再確認された。

 そのため、ビットコインの売買によって収益が生じた場合には、課税対象になることが明言された。英国やドイツなどもわが国同様のスタンスを取るものの、実際のネット上の取引を捕捉することはかなり難しい。個人の申告ベースになると見られるが、個人が儲かった額を正直に申告するか否かについては不透明な部分もある。

 こうしたビットコインの問題を掘り下げると、おそらく2つのポイントに行き着く。1つは、今後人々のニーズを満たす国際的な価値の保蔵や資金決済の仕組みが必要になってくることだ。時間に関係なく自由に使えるシステムで、国などの拘束からある程度独立していることが求められる。

 もう1つは、IT分野の計り知れない潜在能力だ。ビットコインは、インターネットがあったからこそ実現が可能になった。それだけIT分野には、潜在的に重要なパワーが潜んでいる。ところが、ITに関する相応の専門性がないと、当該分野に参入することすら困難なのが現状である。

 そうした課題が取沙汰される事態は、これからも様々な格好で起きることが予想される。というよりも、課題が発生する頻度や複雑性は増すことになるだろう。そうした事態に迅速に対応することは、容易なことではない。

 少なくとも、今回のようなトラブルを受け、国や金融の管理当局はそれなりの覚悟を決めて体制を整えたり、専門家の養成を図ったりするなどの準備を、すぐに始めるべきだ。そうでないと、IT分野の進歩と複雑に絡み合った仮想通貨市場の拡大について行くことは、より難しくなってしまう。