否決など起こりえない
極めて高い賛成率

 全人代では、党・政府機関の首長が一年に一度の〚報告〛を行い、その内容を全人代で審議するという手続きを経る。〚報告〛の内容はすべてメディアを通じて国民に対して公開される。手続きでは全人代の代表たちが“投票”することになっており、その投票結果もまた国民に対して公表される。

 本年度は合計2910名の人大代表が投票に参加したが、各〚報告〛における投票結果を見てみよう。
  
〚政府活動報告〛
賛成2887票/反対15票/棄権5票/無回答3票(賛成率99.21%)
(報告者:李克強)

〚全人代常務委員会活動報告〛
賛成2784票/反対74票/棄権44票/無回答8票(賛成率95.67%)
(報告者:張徳江)

〚最高法院活動報告〛
賛成2425票/反対378票/棄権95票/無回答12票(賛成率83.33%)
(報告者:周強)

〚最高検察院活動報告〛
賛成2402票/反対390票/棄権108票/無回答10票(賛成率82.54%)
(報告者:曹建明)

〚中央・地方予算報告〛
賛成2504票/反対293票/棄権102票/無回答11票(賛成率86.05%)
(報告者:財政部)

〚国民経済・社会発展計画〛
賛成2760票/反対97票/棄権47票/無回答6票(賛成率94.84%)
(報告者:国家発展改革委員会)

 以上の統計から、全人代における選挙はいわゆる信任投票であり、結果は最初から見えているという現状が見て取れる。今回中国メディアは“両高”と称される最高法院&検察院活動報告に対する投票結果で、反対票がそれぞれ378票、390票に達したことから、「中国政治は徐々に民主的になっている」と賞賛する評論も見られたが、「なかなか厳しい」と言わざるをえない。

 共産党一党支配が続き、“人大代表”も国民ではなく、共産党自身によって選ばれている状況下では、政策・法案・予算を含めた〚報告〛が“否決”されるという事態は想像しにくいばかりか、起こりえない。