グローバルビジネスはもはや巨大企業の特権ではない

 もはや、こうした世界展開は、何も巨大な企業だけに許された特別な活動というわけではなくなってきています。

「ボーングローバル企業」と言われるような、創業初期から世界中の企業と連携し、そして世界中の拠点と連携しながら革新的なサービスや商品を作り出す企業は、世界中で数多く生まれ始めています。

 先日、日本能率協会の「KAIKAカンファレンス2014」でご一緒させて頂いた、テラモーターズや、Cerevoは、日本発のボーングローバル企業の先進例と言える企業かと思います。こうした動きは、少しずつ日本でも生まれてきています(ほかにも事例をご存じの方は、ぜひお知らせください)。

 小規模な企業であっても、日本で企画し、海外の部材メーカーや生産事業者と連携して商品を生産し、それを世界中の代理店と連携して販売していく。それが当たり前になりつつあるのかもしれません。

 一昔前であれば、自社で工場を作り、大きな資本を使って、段階的に国際化を果たすことが必要でした。また、国内事業からの安定的な資金提供なくしては、リスクが大きいとされていた海外事業は手がでないとも言われていました。しかし現代では、インテルやアップルが築き上げているような世界的な価値連鎖のネットワークを、操業初期のスタートアップでも活用できる時代となったと言えます。

 DHL、アマゾン、PayPal(ペイパル)、フォックスコンのような巨大な事業パートナーと協業することにより、かつては巨大企業しか手に入れることができなかった規模の経済と製造のノウハウを、活用することができるのです。