韓国も、日本の植民地時代を屈辱の時代として捉え、これまで紆余曲折を経て培われてきた日本の歴史認識が揺らぐことに、強く反応する。かつては「昼は反日、夜は親日」と言うほど建前としての反日を貫く反面、夜はカラオケで日本の歌に興じるといったことは、日常的風景であった。今日、韓国の民主主義、経済力の拡大と共に、「日本、何するものか」という意識が強くなり、歴史問題に一層過激に反応することとなっている。

 現在、韓国との間では、慰安婦問題が歴史認識の象徴的問題となっている。従来韓国政府は、この問題の処理で前面に立ちたくないという意識が濃厚にあり、日本側がアジア女性基金の設立を通じ、個々の元慰安婦との関係で手当てを行ったことに、表面的には異議を唱えなかった。

 しかし、政府の努力が足りないとする2011年の韓国最高裁の判決や、昨今の日本側での河野談話をめぐる議論を受けて、国内の支持を拡大する上でも、朴大統領は強く反応しているということなのだろう。

 安倍首相にとっては、保守政治家として、これまでの自虐的な史観を打ち破りたいという意識が強いのかもしれない。しかし、これまで培われてきた歴史認識に対する首脳による疑義の提示について、外交的リスクはきわめて高い。

未来志向の日中、日韓関係へ
刺激の自制と危機管理体制の構築を

 日本の目から見れば、今日の関係悪化の原因の多くは、中国や韓国の一方的な行動や非妥協的態度にあるということなのであろう。しかし、現在の状況を続け、国民感情をさらに悪化させ、経済も含めた関係全般の縮小をもたらし、対決に至ることは、止めなければならない。