商売のルールは、
お客様のためにつくりあげるもの。

 ところが、必ず情報は洩れます
 情報を聞きつけた卸から、クレームがつけられました。
 もちろん、想定内の出来事。ひるむことなく、こちらの言い分を堂々と主張しました。

「ルール違反でしょ?」
 などと、向うが喧嘩腰でくれば、
「なぜ、ルール違反なんですか? 誰が決めたルールなんですか?」
 と応酬する。 
 売り言葉に買い言葉。
 かなり激しいやりとりになったこともあります。
 しかし、商売のルールは、お客様のためにつくりあげるもの。最後は、こちらの大義で押し切りました。

「安くていいネタを提供するから、お客様に喜んでもらえるんですから、そうするのが当たり前じゃないですか?」

 そして、卸に相見積もりを依頼。当然、ほとんどの場合、水産会社の見積もりのほうが条件がいいですから、そのネタについては水産会社からの仕入れに切り替える。そうやって、一品ずつ、卸から水産会社に取引を移行させていきました。