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ドラッカーも提唱した!?
「パラレルキャリア」のすすめ

小関貴志・マルケト バイスプレジデント 戦略・ビジネス開発担当

GAISHIKEI LEADERS
【第4回】 2014年8月8日
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パラレルキャリアのすすめ

 パラレルキャリアは社会貢献に限定されるものではありませんが、私の前職では、全社員が業務時間の1%を使って社会貢献をすることが日常になっています。この考え方は、1%モデルとして、外資系企業を中心に広まり、いまでは国内のパートナー企業にも、この活動が波及しています。皆さんがお勤めの企業にも、このような活動を実施されている企業はあるでしょう。つまり非常に多くの人々がすでに何かしらのパラレルキャリアを歩んでいるのです。

 これからやりたいことが決まっている方々は、それを実践し、周囲に伝えて仲間を増やしてけばよいのです。あとは行動あるのみ。

 やりたいことが明確に決まっていない方には、こんな提案をしてみたいと思います。それは、本業の知識とスキルを生かしたプロボノ(*1)です。お金をもらえる高いレベルのプロボノをして、金銭的な報酬をもらってもいいでしょう。先述したように金銭以外の報酬を得ることもできます。私が活動するENPOWERのような中間支援団体もありますし、「プロボノ」でネット検索をすればさまざまな団体が出てきます。そこで気に入ったNPOが見つかれば、連絡してみましょう。

 ビジネスで培った高いスキルを持つみなさんが、呼吸をするように当たり前にできることでも、多くの人にとっては当たり前ではありません。あなたが30分で処理可能なことが、私は1週間かかってもできないかもしれません。あなたが5分でできることを、その実現方法がわからなくて1年も悩む人がいるかもしれません。

自分のスキルを過小評価していないか

 みなさんの多くは仕事に追われる日常の中で、自身のスキルを過小評価しています。各人が本気で何年も取り組んで培ったスキル、ノウハウは大きな価値を持っています。それを生かすことで、喜ぶ人がたくさんいます。助かるNPOがたくさんあります。

 パラレルキャリアでは、報酬は必ずしもお金ではありません。お金を受け取っても受け取らなくても、それ以上の何物にも代え難いものを得ることができます。それは何だと思いますか?

  新しい人たちとの出会い、誰かに幸せを感じてもらえる充実感、価値観が異なる世界でのマネジメントスキル、本業が自分高い価値を与えてくれていることの再認識、そして森に入ってマイナスイオンをたっぷり浴びたような爽快感。人生において、これ以上の“報酬”があるでしょうか。それは、本業への情熱をさらに高めてくれるものです。人生を豊かにするものです。

 前述した私の前職では、社会貢献活動を社風と一体化することで、社会も企業も従業員も、社会貢献活動を通じて大きな恩恵を受けています。また、そこに集まる人材は、多様な価値観を持ち、自らパラレルキャリアを実践しているケースが多いです。

 みなさんもプロフェッショナルとしてのスキル、人脈を生かして、パラレルキャリアを実践してみませんか? それが日本の社会で、日本人のワークスタイルとして当たり前になったとき、世界のどこでも通用するキャリアの土台が築かれ、日本はよりよい社会となるはずです。

*1 専門性の高い人が仕事上の知識とスキルを生かして行う社会貢献活動。

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外資系リーダーが日本を変える

真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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