三菱商事が豪州の石炭開発、三井物産がブラジルの鉄鋼石開発になどに、約1000億円の資金を投下した案件があった。丸紅もチリの銅鉱山に投資するなど、大手商社の資源開発案件は、一時枚挙にいとまがないほどだった。

 BRICsなどの新興国が高成長を続けている時期は、エネルギーや鉱物などの資源や穀物の価格は顕著な上昇傾向を辿り、大手商社はそのメリットを十分に享受した。その結果、大手商社の資源ビジネス依存度は大きく高まった。

大手商社の過度な資源依存体質
資源ビジネスの重要性と問題点

 こうして大手商社の資源ビジネスは順調に拡大を続けた。そして気がついてみると、商社の資源ビジネス依存度は異常なほど上がっていた。たとえば、三井物産は2012年3月期の連結純利益約4344億円のうち、エネルギーを含む資源関連収益が約4000億円に上ったと見られる。純利益に占める資源依存度は実に9割近くになっていた。商社ごとに依存度にはバラツキがあるものの、総じて商社の資源依存型の収益構造ができ上がってしまった。

 それだけ資源ビジネスへの依存度が上がると、見逃せないリスクが生じる。それは、資源ビジネスが低迷した場合、大手商社の収益が大きな痛手を受け得ることだ。エネルギーや鉱物などの資源の価格は、世界経済の状況や中国などの特定の国に影響を受けやすい。

 投資家やアナリストなどからは、資源ビジネス依存度の高まりを重要なリスク要因として指摘する声が多かった。

 足もとで、指摘されてきたリスクは不幸にも現実のものになりつつある。主要先進国の経済が低迷したことに加えて、中国を中心とした新興国の成長にも鈍化傾向が鮮明になっている。そうなると、今までのような需要の伸びを期待することは難しくなる。