実は、このGECAS、1600機以上の機体を保有している世界最大の航空機保有会社であるということをご存じだろうか。

 世界最大のエアラインであるデルタ航空やユナイテッド航空であっても使用している機体数は700機レベルであり、GECASに次ぐ航空機リース会社のエアキャップが1300機であることから、GECASの保有機体数はずば抜けた存在といえる(図表3)。

 そして、そのGECASの保有する機体の大半には、GE製のエンジンが搭載されているという。

 更に、LCCが多用するシングルアイル機の一つであるボーイング737は、GE製のエンジンしか装備されていない。同じ機体でもエンジンには選択肢があることが一般的な航空機の世界では異例のことである。そして、同じGE製のエンジンは、ボーイングとライバル関係にあるエアバスのシングルアイル機A320の2つある選択肢の1つともなっている。つまり、機体やエンジンが単純な確率論で選ばれると仮定すると、シングルアイル機の4つに3つにはGE製のエンジンが搭載されていることになるわけだ。

欧米企業のしたたかなビジネス戦略

 LCC、シングルアイル機、そしてGEということから何が推測できるか。

 それは、GEという会社が買収を重ねて世界最大の航空機リース会社となり、規制緩和により新規参入を目論むLCCに対して、自社製エンジンの搭載された機体を次々とリースし、LCCの台頭をサポートすると同時に自社エンジンのシェアを高めていった姿である。

 筆者は実際にGEからこのようなストーリーを直接聞いたわけではないが、世界から優秀な人材を集めて経営を行っているGEであれば、このようなしたたかな戦略を遂行していたとしても全く違和感はない。