2013年末時点の都市100世帯当たり自動車保有台数は16.9台にすぎないこと、持続的な所得増加により自動車購入層が順調に拡大していることから、自動車購入の「高速増加」が続いてもおかしくないにもかかわらずである。

 足元の景気減速や習近平総書記が主導する綱紀粛正の影響は当然あろうが、それだけではない。すさまじい交通渋滞や大気汚染への対応策として、自動車購入制限を導入する都市が増えているのである。

 2013年以降では、天津市は年間10万台(購入制限導入前は30万台)、浙江省杭州市は同8万台(同30万台)、広東省深セン市は同10万台(同55万台)と、かなり厳しい購入制限が導入されている。こうした動きは、今後さらに広がりかねない。

 導入の可能性が報道されている都市だけでも、陝西省西安市、山西省太原市、湖北省武漢市、重慶市、河北省石家荘市、四川省成都市、山東省青島市など枚挙にいとまがない。

 自動車購入制限は、新規購入に限定され、ナンバープレートを所持している買い替えには適用されないので、すでに自動車の普及が相当程度進んでいる大都市については、影響は限定的との指摘がある。しかし、それ以外の都市では、初めての自動車購入需要が大きく抑制される可能性が高い。

 2015年は、持続的な所得増加に加え、昨年来の株高の資産効果による自動車購入増加が期待されるが、その阻害要因としての自動車購入制限の広がりには、要注意であろう。

気になる不動産開発と製造業
固定資産投資はもう一段の減速へ

 2013年夏場以降、中国では、鉄道などインフラ投資、農業、保障性住宅、省エネ・環境保護、そして産業構造の高度化を促す戦略的新興産業といった分野を限定した、投資下支え策が講じられてきた。言い変えれば、一般的な製造業を中心に投資全体を浮揚させるような刺激策は採用されていない。