「日本一」の旗を掲げたディーラーの小さなゴール設定とは?

連載の第2回で取り上げた自動車ディーラーの場合、まず「お客様に感動を与えよう」と近くに見えるゴールを作りました。具体的には、「感動を呼ぶ挨拶をしよう」と管理者は訴えました。

 明るく爽やかに最高の笑顔で挨拶をするのです。といっても、気分の悪いときも体調不良のときも落ち込んでいるときもあります。

 朝礼やミーティングでは、必ず挨拶特訓をしました。一人ひとりが笑顔トレーニングをやりました。

 数ヵ月すると元気な挨拶が職場にあふれるようになったのです。笑顔でお客様に応対できるように一人ひとりが変化してきました。

 住宅販売会社の社長がこのディーラーを訪れて、以前のお店の雰囲気と違うことに驚きました。すばらしい挨拶、こぼれるような笑顔、気配りのある応対や接客、すべてが最高だったそうです。

 この社長は感激しました。友人にこのディーラーのすばらしさを話しました。友人たちは「ほんとうかな?」と訪れ、また感動をもらって新しいお客様になりました。

 第一のゴールは達成しました。これが励みになりました。次に第二のゴールをつくりました。一人ひとりが訪問件数の5割アップです。

 これは大変でした。計画通りに訪問できません。夜の9時、10時に帰ってくることもありました。休日出勤も自主的におこない、お客様を訪問する営業マンもいました。

 5割アップのゴールへと、営業マンがワクワクしながら訪問して達成したのです。

 営業だけではなく、業務やメンテナンスなど他の部門もそれぞれにゴールを作りワクワクしてチャレンジしました。

 大きな旗を立てたら、そこへ進む一歩一歩の小さな旗を立てましょう。一歩のゴールを目指しチームメンバーに熱く語りましょう。

 一歩一歩の小さなゴールを達成するごとに励みになり、ワクワク感が高まるのを実感していきましょう。